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【参院選】首相ふれぬ改憲……議論リードする「日本会議」、その中枢に迫る

2016/6/28(火) 17:20配信

BuzzFeed Japan

「国民の会」の署名では、次の7つを改正の対象にあげている。

「前文」…美しい日本の文化伝統を明記すること
「元首」…国の代表は誰かを明記すること
「9条」…平和条項とともに自衛隊の規定を明記すること
「環境」…世界的規模の環境問題に対応する規定を明記すること
「家族」…国家・社会の基礎となる家族保護の規定を
「緊急事態」…大規模災害などに対応できる緊急事態対処の規定を
「96条」…憲法改正へ国民参加のための条件緩和(同会ホームページより)

この中で最優先とされているのが、「緊急事態」条項だ。
「私の修士論文は、当時の西ドイツ、ワイマール憲法の緊急権の研究だったんです。私は国家論をやりたかったから。そう考えると感慨深い」としみじみと話す。
「首都直下地震、大規模テロ……国家の存亡に関わる事態が想定できます。だから緊急事態条項は喫緊の課題であり、かつ賛同も得られやすいと考えています」
百地さんは、産経新聞や保守派のオピニオン紙「アイデンティティ」に書いた論考を、私に見せながら力説する。見出しには「緊急事態条項で改憲の発議を」「『緊急事態条項』で一点突破を!」。力強い言葉が躍っていた。

自民党改憲草案に緊急事態条項が書かれているのも、追い風になるだろう。今年に入ってから安倍首相も、国会でこう発言している。
「大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家そして国民自らが、どのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置付けるかについては、極めて重く大切な課題と考えております」
こうした考え方には「緊急事態宣言中、三権分立・地方自治・基本的人権の保障は制限され、というより、ほぼ停止され、内閣独裁という体制が出来上がる」(憲法学者・木村草太さん)という批判もある。
なぜ、ここまで「現実的」な改憲にこだわるのか。百地さんは語る。
「大事なのは、憲法改正の体験、達成感ですよ。憲法だって、基本的には法律と変わらないと。我々のルールなんだから。なんで国民自身の手で作り変えられないのか、という思いを共有してくれると思うのです。第一歩を踏み出して、成功すれば次だということに当然なる。(改憲に対する)国民の抵抗感も薄れてくると思います」
改憲のポイントが7つある以上、憲法改正は1回だけでは終わらないだろう。

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最終更新:2016/6/29(水) 1:10
BuzzFeed Japan

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