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実燃費とカタログ燃費 「正義のアメリカと陰謀の日本」は正しいのか?

2016/7/3(日) 18:00配信

THE PAGE

本来は「排気ガスの測定」が目的

 次はシミュレーションテストについてだ。 シミュレーションとは再現テストのことで、カタログ燃費の根拠となる燃費テストはどこの国であれ、特定の走行パターンを想定したテストになっている。しかしながら、その前に説明しておかなくてはいけないことが一つある。

 一般には燃費テストと言われているこのシミュレーションテストは、本来の目的は「排気ガスの測定」にある。これは日本だけでなく世界中どこでも同じだ。その副次的な測定結果として燃費という項目があるだけだ。あくまでも排気ガスのテストとして相応しい運転モードであることが最優先されるのは、その性質上仕方がない。そもそも運転モードの測定時間は最短のアメリカのEPA(US Environmental Protection Agency)高速モードの11分、欧州のNEDC(New European Driving Cycle )が20分、日本のJC08が20分、最長のアメリカ市街地モードですら23分程度しかないのだ。これは燃費テストを排ガステストと別に測定するルールに改めない限り改善できない。

 日本の燃費テストは、古くは60キロ定地燃費で計測されていた。平坦路をただ60キロで走る測定法だ。1976年には「10モード燃費」が制定され、甲州街道の走行を想定した、発進・加速・定速走行・減速・停止・アイドリングを組み合わせたシミュレーションが初めて採用された。この時は一般道路を前提としたため、最高速度は時速40キロに過ぎず、高速道路など空気抵抗の大きな走行を想定していなかった。

 1991年から、高速道路での走行パターンを加味した「10・15(ジュウジュウゴ)モード」に変わり、これにより測定中の最高速度は70キロまで上がった。空気抵抗は速度の2乗に比例するので、速度が上がると燃費は加速度的に悪化する。実際の路上で、多くのユーザーが速度40キロ上限で運転していたとは考え難いので、最高速度が70キロに上がったことで、従来と比べれば、実際の運転パターンにより近づいたと言える。

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最終更新:2018/10/3(水) 15:44
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