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実燃費とカタログ燃費 「正義のアメリカと陰謀の日本」は正しいのか?

2016/7/3(日) 18:00配信

THE PAGE

 2011年にはテスト方法がさらに「JC08(ジェイシーゼロハチ)モード」に変更される。JC08モードの特徴は、エンジンが冷えた状態からの走行や、細かい加減速が加わり、非現実的な部分が排除された点だ。これは実験時の制御の進歩も大きい。短時間に加減速を繰り返すテストは人が運転すると再現が難しいため、どうしても定加速、定速運転、定減速という、グラフにした時台形になるようなパターンになりがちだったが、車外から電気的に制御することが可能になって、もっと曖昧で複雑な制御を一定の再現性を持って行うことが出来るようになったのである。ただし、いまでもテストドライバーによるシミュレーションも行われている。

 この様に、燃費テストは運転パターンを実際の路上で走っているクルマの特定の運転パターンに近づけるテスト方法に改められてきた。もちろん、まだまだ再現性には様々な問題がある。一例とすれば、JC08ではエアコンは使用しない。ただこれもシミュレーションを目的とすれば、四季の変動をどう盛り込むかという話になり、誠実であろうとすれば、冷房、暖房、空調なしのパターンを別記しなくてはならなくなるし、乗員の快適温度差は個人差がかなり大きく、空調の設定温度も何度が正しいと簡単には言えない。エアコンの温度設定による諍いは誰もが経験しているはずだ。燃費の乖離問題の根源は「運転パターンの標準値はどう取るのが正しいのか」というところにあり、真実は「そんなもの人によって違う」ということに過ぎない。

 つまりシミュレーションは、どこまで行ってもテスト時のルールの取り決めで左右される。だから、シミュレーションに機械としての傾向を掴むこと以上を求めることは難しい。ただある程度現実的な運転パターンに沿ってシミュレーションしている以上、燃費のランキングが大どんでん返しでひっくり返る様なことは起こらない。カタログ燃費が近いモデル同士では順位が入れ替わることはあると思うが、10位のクルマが1位のクルマを抜くようなことは起きない。そういう大まかな序列参考として考えるなら、シミュレーションにも一定の意味はある。

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最終更新:2018/10/3(水) 15:44
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