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石油元売り大手の出光興産の創業家が、昭和シェル石油との合併に反対しています。11日に創業家と経営陣が話し合いを行いましたが、議論は平行線のままでした。なぜ出光の創業家は合併に反対しているのでしょうか。
出光興産は創業家が株式の約34%を持つ典型的なオーナー企業です。これまで同社は「家族主義」を掲げ、社員は家族のように付き合うことをモットーとしてきました。外国からの買収やモノ言う株主にも極めて否定的で、こうした買収から会社を守るため、以前は株式の上場すらしていませんでした。定年制が導入されたのはつい最近ですし、労働組合は存在していません。まさにジャパニーズカンパニーの代名詞のような存在だったわけです。
しかし、同社には昭和シェル石油との合併話が持ち上がりました。合併を主導したのは経済産業省です。日本国内の石油業界は設備過剰の状態が続いており、再編やリストラが必至といわれてきました。しかし石油業界は変化を望まず設備過剰の状態が続いたため、これに業を煮やした経産省が「エネルギー供給構造高度化法」に基づき、設備削減や製油所再編を強く要請しました。つまり上からの構造改革です。
経産省の意向を受けて、出光興産と昭和シェル石油の経営陣は合併の協議を行い、2015年に基本合意に達しました。しかし昭和シェル石油はその名前から分かるようにゴリゴリの外資系企業です。
昭和シェル石油の大株主には、ザ・シェル・ペトロリウム・カンパニー・リミテッド、アラムコ・オーバーシーズ・カンパニー・ビー・ヴィ、ザ・アングロサクソン・ペトロリウム・カンパニー・リミテッドなど、グローバルな石油メジャーであるロイヤル・ダッチ・シェル・グループに属する会社やサウジアラビアの国営石油企業の関連会社といった名前がズラリと並びます。
ジャパニーズカンパニーの典型である出光とはまさに水と油というわけです。また出光は昔からイランとの関係が密接なことで知られていますが、昭和シェルの大株主はイランと対立するサウジアラビアの政府系企業であり、このあたりについても出光の創業家は懸念を示しています。
創業家の反対で合併が白紙になったケースとしては、2009年のキリンとサントリーの経営統合があります。サントリーも出光と同様、創業家が株式の多数を保有する非上場企業でした。キリンとサントリーの統合はかなり具体的なところまで進みましたが、最終的にはサントリーの創業家が持ち株比率の低下と企業文化の違いを懸念し、統合は見送られました。
出光と昭和シェルの合併を決議するには臨時株主総会で株主の3分の2以上の賛成が必要となります。創業家は3分の1超の株式を保有している可能性が高く、このままでは合併を強行することはできません。創業家と経営陣の次回の交渉は未定となっています。
(The Capital Tribune Japan)
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