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誰もが冷静さを失い、専門家ですら読み違えてしまうバブル。相場が大変動する可能性は理解していても、それがいつなのか断定的に予測することは誰にもできません。
しかし、バブル崩壊を見事うまく見抜いて切り抜けた投資家と読み違えてしまった投資家には決定的にどのような違いがあったのでしょうか? 勝者の一部は市井の人と交わした会話の中から偶然ヒントを見つけたり、冷静に過去と同様のケースと照らし合わせて分析したりなど、ほんの些細なサインに気付いたからだといわれています。
今回は1929年の「ブラックサーズデー」と1987年の「ブラックマンデー」における勝者たちの事例をミリタス・フィナンシャル・コンサルティングの田渕直也さんが解説します。
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相場の大変動を見抜いて大成功を収めた投資家もいれば、そうできなかった者もいる。成功と失敗を分けたものは何なのか。いくつか有名な事例を取り上げて、考えてみることにしよう。
靴磨きの少年との会話から、バブル崩壊を見抜く
1929年、米国はまさにバブルの真最中だった。
有力な政治家であり、投資家としても大成功をおさめていたジョセフ・ケネディは、あるときニューヨークの街角で靴磨きの少年に靴を磨かせていた。少年は目を輝かせて、あれこれと株式市場の話を熱心にする。ケネディは、その様子を見て不安に感じ、家に戻ると持ち株の売却の注文を出したのである。後世「暗黒の木曜日」として知られる世紀の大暴落が起きる直前のことだった。
ケネディは、この大暴落を無傷で切り抜けたといわれている。そのきっかけとして彼自身が語っているのが上記のエピソードだ。このエピソードには作り話という説もあるのだが、たとえそうだとしても、ここからはバブルというものの本質をうかがい知ることができる。
バブルの初期に投資をしているのは、ほんの一握りの投資家たちだけである。バブルが始まるとそうした投資家たちが成功をおさめ、それを見て嫉妬と羨望の念に駆られた他の裕福な投資家が株式市場に資金を投じるようになる。それが、株式相場の新たな押し上げ要因となる。
さらに株価上昇が続くと、成功者の輪は広がり、その輪の外側にいる人々が次々と嫉妬と羨望に突き動かされていくようになる。そして、それほど裕福ではない一般の人々までもが、一世一代のチャンスに乗り遅れたくないという一心で、資金を投じることになるのだ。
こうして、投資家の輪は拡大していき、相場は上がり続ける。それがバブルだ。そして最後に、靴磨きの少年のように投資すべきお金をほとんど持たない人々にまで熱狂が感染する。
しかし、靴磨きの少年は、広がる投資家の輪の最後の輪だ。株を買える余裕のある人たちはすでに買えるだけの株を買っている。靴磨きの少年が株式市場に関心を持つ状況では、株式市場に新たに流れ込むお金がもう世の中にほとんど残っていない可能性が高い。
だから、靴磨きの少年がなけなしのお金を株式市場に投じるとき、それはバブルの終焉を告げるサインともなるのである。
ちなみに、第35代米国大統領ジョン・F・ケネディは、このジョセフの次男である。ジョセフがこのようにして守り切った巨額の資産が、ジョンの政治的な成功に一役買ったことは間違いないだろう。本文:3,049文字
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