ここから本文です

米軍基地だけではない。沖縄の人たちを追い詰めるバッシングと「無関心」

2016/9/25(日) 17:00配信

BuzzFeed Japan

記者が訪れた9月14日の抗議集会には、200人以上の参加者がいた。しかし、その多くは、近隣の名護市、うるま市や那覇市などから駆けつけた人たちだ。彼らが乗ってきたバスや車のナンバーもそれを示している。

本土から来た人の姿もあったが、東村住民は少なかった。

「140人くらいしかいない集落で異を唱えるのは、難しいことなんです」

高江に10年前から暮らし、夫婦で集会に参加していた40代の女性は、住民が抗議運動に参加しない理由を、こう説明する。

「お前らが運動をしているから、道路を封鎖されているんだとか、お金もらってるんじゃないのか、と言われることだってある。道路が封鎖されると、生活の邪魔にもなるんですよね。高江の人に支障がでると、抗議運動も米軍も同じだ、という話になっちゃう」

隣近所と基地建設の話をすることは、「全然ない」とも言う。それでも女性が座り込みに参加し続けるのは、「ヘリパッドができたら、まともに生活ができなくなる」と思っているからだ。

今年6月。すでに完成したヘリパッド近くの知人の家で、オスプレイの離着陸訓練があった。

夜9時すぎ。飛行音が近づくにつれ、内臓を揺らされるような気持ちの悪い感覚を覚えた。食器などがガタガタと音を立て、プロペラの音と相まって、話し声は聞こえなくなった。

訓練はその日、11時前まで続いたという。知人の子どもたちはこうした日々が続いて不眠に悩み、一家で夏休みの間、隣村に避難をした。

「たしかに、声を上げたり、座り込んだりする運動には参加したくない、という人は多い。でも、こうでもしないと基地建設のことを知ってもらうことも、止めることもできません。私はそう思って、抗議に参加しています」

もうひとつの地元紙・沖縄タイムスは、9月8日、「高江の農家、ヘリパッド抗議に苦情 県道混乱で生活にも支障」という記事を配信した。そこでは、住民や高江区長のこんな言葉が紹介されている。

「決してヘリパッドに賛成ではない。ただ、彼らのやっていることはわれわれの生活の破壊。もう爆発寸前だ」

「区民のストレスは限界に来ている。早くヘリパッドを完成させた方がいいとの声も出ている」

北部支局で基地問題を追い続けている沖縄タイムスの阿部岳記者(42歳)は、BuzzFeed Newsの取材に対し、「まさに生活の場でこういうことが起きているので、怒る住民の人がいるのは当然のこと。その声を伝えることにも意義があります」という。

反対する側の声だけではなく、それに対する住民の声を描いたこの記事に対しては、抗議運動の参加者たちからは反感が。

ネット上の基地賛成派には「自称『市民』の乱暴狼藉に沖縄タイムスですら苦言」と、自らの主張を裏付けする素材として、反響が広がった。

ただ、と阿部さんは言葉を繋げる。反対運動に反感を持つ前に考えなければならないことがある、と。

「政府が高江を標的にして、機動隊を動員し工事を強行しようとしているからこうなっている、ということは、常に頭に置いておかないといけない。市民が高江を選んで通行を止めようとしているわけではありません」

3/5ページ

最終更新:2016/9/26(月) 9:54
BuzzFeed Japan

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事