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ロープ頼りに空中を前進 大阪市消防隊員が救助技術を競う

2016/10/25(火) 12:40配信

THE PAGE

ロープ頼りに空中を前進 大阪市消防隊員が救助技術を競う

 大阪市消防局は24日、東大阪市内にある消防局高度専門教育訓練センターで、消防隊員の救助技術の向上を目指す消防救助技術錬成会を開き、参加した隊員らが日ごろ培った訓練の成果を競い合った。隊員らの交代勤務に対応するため、錬成会は25日も開催。2日間で市内25消防署から約1130人の隊員が集結する。

「夏から重ねてきた訓練の成果を発揮せよ」

 開会式で藤井茂樹消防局長が「若手職員からベテラン職員まで、一堂に会して行う技術練成会は、大阪市消防局の力強さの源泉。夏の暑いころから訓練を重ねてきた成果を存分に発揮してほしい」と訓示し、訓練が始まった。

 技術練成会は1974年から毎年実施され、今年で43回目。訓練は基本的な救助技術を習得するための「基本救助技術操法の部」と、消防救助技術近畿地区指導会の出場隊員を選出するための「予選会の部」を同時開催している。

往路はセーラー渡過で復路はモンキー渡過

 消防救助技術は種目に分かれている。ロープブリッジ渡過はビルから隣接ビルなどに進入する方法のひとつ。地上7メートルの高さに水平に張られたロープを利用。スタート地点から折り返し地点までの往復40メートルの間を、往路はセーラー渡過、復路はモンキー渡過で渡る訓練だ。優秀な隊員は空中を滑るようにして渡過に成功していた。

 登はん降下は高所や低所への基本的な進入方法。塔上から垂らされたロープを活用し、ロープをたぐり寄せ壁を蹴り、自力で地上7メートルの塔上へ進入する。進入後はロープを使って地上まで降下。装備の安全を確認したうえで、隊員がロープだけを頼りに塔上から降下する瞬間は、身を投げ出すような緊張感がみなぎる。

要救助者をチームの連携で救い出す訓練

 チームによる提携訓練もある。応急はしご救助は火災現場などで建物の2階、3階で助けを求めている人を救出する方法のひとつ。3人1組で2名が塔上に進入。3連はしごやロープを使って、要救助者(ダミー)を安全に地上へ救出する。

 先に進入した隊員が、要救助者を見つけて「もしもし」「大丈夫ですか」などと声をかけて容体を確認。続いて進入してきた2人目の隊員と、手際よく要救助者を地上へ降ろすという展開だ。隊員たちの酸素マスク越しの呼吸音が生々しい。地上の隊員との一体感も欠かせない。

 低所(水難)救助は水難救助現場で助けを求める人を救出する方法。3人1組となり、救命浮環を投入して要救助者(訓練要員)を確保。折りたたみ式はしごで救助地点に降下し、要救助者を地上に救出する訓練だ。はしごを固定するのが難しい。隊員は要救助者に対し、「もうすぐ隊員が下りていきます、安心してください」「はしごの中央をゆっくり上ってください」などと、励ます。

 訓練には女性隊員も参加。地震や自然災害への市民の不安が高まる中、隊員たちは真剣な表情で訓練に臨んでいた。
(文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)

最終更新:2016/10/25(火) 12:40
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