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電通過労自殺「私のことかと」 長時間労働にセクハラ、テレビ局で働く20代女子の証言

2016/10/25(火) 5:00配信

BuzzFeed Japan

過労が原因で自殺をした国内最大の広告代理店・電通の高橋まつりさん(当時24)。長時間労働だけでなく、パワハラにも悩んでいた。Twitterにはセクハラを示唆する内容も書かれていた。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

同じような現実に悩まされている人たちは、少なからずいる。特にメディア企業では、それが顕著だ。

BuzzFeed Newsは、マスコミで働く20代女性に、その実情を聞いた。

「まるで私のことかと、思いました」

そうBuzzFeed Newsの取材に語るのは、都内に暮らす20代の女性。テレビ局で働いている。高橋さんのニュースを見て「自分も同じような働き方をしていた」と感じたという。

「終電に間に合うことは、ほとんどありませんでしたね」

女性はそう、自らの経験を話し始めた。

毎日1時や2時まで働くことや、土日出勤は当たり前。会社を出て軽く食事をしたら、もう空が白んでいたこともあったという。

椅子で寝たり、家に帰ってシャワーを浴びて、30分だけ寝たり……。睡眠不足が続き、昼間、営業先の広告代理店のトイレで寝てしまっていた、なんてことがしょっちゅうだった。

ただでさえ仕事に慣れず辛いなか、追い討ちをかけたのが飲み会の多さだ。

社内の飲み会というより、ほとんどが「代理店さん」や「お得意さん」の接待。年末は土日も含めて、月のほとんどが飲み会で埋まってしまったこともあるという。

「若い女子だったからということもあるのか、二次会から呼び出されることも多かったですね。別の飲み会が早めに終わって家に帰れたとしても、電話がなって、代理店の先輩から、『いまから六本木な』とか」

繁忙期は、飲み会が終わったあと、会社に戻って仕事をすることもあった。そうしないと、仕事が終わらないからだ。

残業時間は「わからない」

労働時間はどれくらいだったのか。

女性は「わかりません」と静かに答えた。

会社ではパソコンを通じて、労働時間を提出する。しかし、時間外労働の限度は40時間程に設定されており、それ以上の申請をしたことは、入社後一度もなかったという。

「限度以上を申請すると、上司が呼ばれちゃうと聞いているので、申請しようと思ったこともありません。そもそも人が足りないので、みんな同じくらい働いていますし……」

実際の労働時間を重ねて聞くと、「月に120~130時間くらい」と話す。しかし、出入りを端末で記録しているわけでも、ノートに特段記録を取っているわけでもない。

「報道の人たちはもっとひどい現状がありますから。私たちの部署が80時間とかつけて、社内で残業時間の多い部署として“ランクイン”してしまうのは、良くない気もしています」

厚生労働省が企業約1万社(回答1743 件)、労働者約2万人(回答1万9583人)を対象に昨年、実施したアンケート結果が「過労死白書」に載せられている。

それによると、1年で残業が一番多い月の残業時間が「過労死ライン」とされている80時間以上だった企業の割合は、テレビ局、新聞、出版業を含む「情報通信業」が44.4% (平均22.7%)と一番高い。

電通の過労自殺問題を、メディアは一斉に批判的な目線で取り上げた。しかし、そのメディアで働く人たち自身も、やはり過労に悩まされているのだ。

私も全国紙で記者をしていた経験がある。月の休みが数日だけだったり、残業が100時間を超えたりするなんて、正直当たり前だった。事件が起きれば、1~2ヶ月休みなし、寝られない日が続くなんてこともある。

女性は言う。

「マスコミってやっぱり、世間から見たら働き方が普通じゃない気がしています。午前1時や2時まで働いて、夜遅くまで飲み会をするのが頑張っていることみたいに、思いがちなんじゃないんでしょうか」

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最終更新:2016/10/25(火) 11:45
BuzzFeed Japan