ここから本文です

地元の味覚が楽しめる“役所メシの旅” ── 八王子市「八王子ラーメン」

2016/10/31(月) 12:28配信

THE PAGE

THE PAGE

 「社員食堂」がある会社のように、市役所や区役所といったお役所にも食堂がある。うどん・そばやカレーといった定番メニューに加えて、地元の食材や名物グルメが味わえる食堂も。そんな地元の味が楽しめる役所の食堂を探訪する当連載企画。第4回は、東京都八王子市役所の食堂で、ご当地ラーメンの「八王子ラーメン」を味わってきた。

地元の味覚が楽しめる“役所メシの旅” ── 品川区役所「品川めし」

食欲をそそるしょう油とラードの香り

 たちのぼる白い湯気のなか、ただようのは食欲をそそるしょう油とラードの香り。ラーメン鉢の中に目を向けると、スープの表面からきざまれたタマネギたちが顔を出している ── これが、食堂の窓口で受け取った八王子ラーメンである。

 八王子ラーメンを構成する要件は、(1)しょう油ベースのたれ、(2)表面を覆う油、(3)きざみタマネギの具、の3つとされる。諸説あるが、これらの要件を満たすラーメンを提供する店が現れたのは昭和30年代なかば。今日、八王子市内で八王子ラーメンを提供する店舗数は35店あるほか、市外にも八王子ラーメンの店が複数存在する。

タマネギのシャキシャキとした歯ごたえ

 席に着いて「いただきます」とつぶやいたのち、まずは黄色い麺を箸にからめとり、勢い良くすする。舌の上に、麺の風味とスープの旨味があふれ出す。この快感を味わいたくて、何度も麺をすすってしまう。

 レンゲでスープをすくうと、キラキラと液面を光らせるラードとともに、きざみタマネギがたくさん飛び込んできた。スープを口に含み、タマネギを食するたびに、シャキシャキとした歯ごたえがしたかと思うと、タマネギ独特の甘みが飛び出してくる。

 ほどよい肉厚のチャーシューを食べてみる。自己主張しすぎず、されど埋没もしすぎない、ほどよい濃さの味付け。スープとのバランスを考えたのだろう。半熟の味玉やノリといった定番の具も楽しい。

 かくして、汁を飲みきって完食。これで420円とは、なかなかお得感があると感じた。

役所の食堂でもファンが納得できる味に

 市の食堂で、八王子ラーメンを提供しはじめたのは、2009(平成21)年12月の食堂リニューアルオープン時から。八王子ラーメンの普及活動を通じた街おこしに取り組む市民団体「八麺会(はちめんかい)」が、食堂を担当する市の総務部労務課に働きかけ、実現した。

 八麺会では事務局長を務めているという同市都市戦略部の立川寛之都市戦略課長は「市のブランド化に取り組むなかで、ブランドの中心である市役所で地元グルメの八王子ラーメンが食べられないのはおかしい、と以前から考えて、リニューアルを機に提案しました」と話す。

 提供に向けては、市および八麺会と食堂の運営委託先である西洋フード・コンパスグループとのあいだで、約1か月にわたって材料や調理法などの検討を重ねた。

 こうして出来上がった八王子ラーメン。立川さんと同じく八麺会のメンバーである同市総合経営部経営計画第2課の田島宏昭主査は、「専門店にはおよばないながらも、食べ慣れた人間なら、“あ、八王子ラーメンだ”と納得できる味になっています」と満足げ。なお、田島さんはだいたい週に2回は食堂で八王子ラーメンを食べているとか。

1/2ページ

最終更新:2016/10/31(月) 15:57
THE PAGE