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無礼で傲慢? ノーベル賞受賞で沈黙続けるボブ・ディラン氏のナゼ

2016/10/26(水) 16:00配信

THE PAGE

 今年のノーベル文学賞に選ばれた米シンガー・ソングライターのボブ・ディラン氏が、受賞について沈黙を続けていることに対し、選考主体のスウェーデン・アカデミーのメンバーが「無礼かつ傲慢だ」と批判しました。一方、受賞する・しないは本人の自由であり、アカデミーの方こそ無礼だという意見もあります。ボブ・ディラン氏とはどのような人物で、なぜノーベル賞を受けないのでしょうか。

あえて無視しているボブ・ディラン氏

 スウェーデン・アカデミーは10月13日、2016年のノーベル文学賞をボブ・ディラン氏に授与すると発表しました。歌手が受賞するのは初めてのことであり、オバマ大統領も「ふさわしい」と賞賛するなど米国では祝賀ムード一色となりました。

 ところが、選考委員会がディラン氏に連絡を取ろうとしても連絡がつかない状況が続き、本人からも何ら公式なメッセージは発信されませんでした。21日には、同氏の公式サイトからノーベル文学賞受賞という表記が消されていたことから、本人が受賞を望んでいないという共通認識になりつつあります。その間、ディラン氏はコンサート活動なども行っていることを考えると、あえて無視している可能性は高いでしょう。

「無礼で傲慢だ」と選考委員

 こうしたディラン氏の態度について、選考委員の1人は、スウェーデンの公共放送とのインタビューで「無礼で傲慢だ」と述べ、ディラン氏を批判しました。

 ただディラン氏を知るファンなどからは「想像の範囲」との声が多いようです。ディラン氏は1962年にフォーク歌手としてデビューし、ベトナム反戦運動や公民権運動の高まりを背景に反体制音楽の象徴としてカリスマ的人気を博しました。

 アップル創業者で元ヒッピーのスティーブ・ジョブズ氏がディラン氏に心酔していたのは有名な話です。カリスマであるにもかかわらず、時にやる気がなさそうに演奏するなど、本人はニヒルな性格ですから、今回の受賞に対する反応もうなずけるというわけです。

権威主義的な賞を嫌った?

 もっとも、ディラン氏を批判した選考委員も「彼ならあり得ること」とも発言しており、ある程度想定の範囲内だったことを伺わせます。ディラン氏はすべての賞を拒否しているわけではなく、2012年にはオバマ米大統領から最高位の「大統領自由勲章」を授与されています。

 ただノーベル賞は非常に堅苦しく権威主義的な賞ですから、あえてこれを無視するという態度に出ることで、最高の演出効果を狙ったのかもしれません。ディラン氏に賞を授与することでノーベル賞の権威をより強いものにしようとの思惑があったのかもしれませんが、ディラン氏の方が一枚上手だったというところでしょうか。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/10/26(水) 16:32
THE PAGE