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暴言ドゥテルテ比大統領の【戦略】?日本はどこまで付き合うべきか

2016/10/26(水) 5:00配信

BuzzFeed Japan

反米的な発言を繰り返すフィリピンのドゥテルテ大統領。来日の前から、多くのメディアがドゥテルテ氏の動きに注目していた。なぜフィリピンの動きがここまで報道されるのか。【BuzzFeed Japan / 鈴木貫太郎】

【写真】フィリピンの暴言王、ドゥテルテ大統領 高い人気と深い闇

南シナ海問題で存在感を強めたフィリピン

オバマ米大統領を「サノバビッチ」と呼ぶなど、暴言が注目されるドゥテルテ大統領。しかし、フィリピン政府が世界からの注目を集める理由は、暴言だけではない。

ドゥテルテ大統領自身の資質だけでなく、中国による南シナ海への海洋進出が大きく関係している。

2014年5月、中国が南シナ海南沙諸島の環礁に土砂を搬入し、大規模な人工島造成をしていることが発覚した。

南沙諸島では1945年以降、フィリピン、ベトナムなど周辺国も開発を進めてきた。しかし、中国ほどの大規模な工事はこれまでなく、世界的な注目が一気に南シナ海に集まった。

南シナ海は、中国とフィリピン、マレーシア、インドネシアなど東南アジア諸国に囲まれた海域。日本の商船も航行する、重要な海上輸送ルートでもある。

南シナ海での緊張が高まって以降、中国に対峙する隣国として、フィリピンは国際的な存在感を徐々に強めてきた。

はしごを外された米国

中国による人工島造成が発覚した当時のフィリピン大統領はアキノ前大統領。米国在住経験もある親米家で、米国や日本と協力し、国際社会の場で中国の海洋進出を一貫して非難してきた。

オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所での裁判では、中国の南シナ海での領有権主張は法的根拠がないとの裁定が出た。

海洋進出を広げる中国に、軍事的にも経済規模としても劣るフィリピンが勝利した形だ。しかし、判決の基となった、国連海洋法条約には罰則規定がない。そのため、日本や米国は、裁定の順守を中国に強く求めてきた。

フィリピンの同盟国は、仲裁裁判所の裁定を盾に中国に対抗する算段だった。ところが、肝心のフィリピンで、親中的な発言を繰り返すドゥテルテ大統領が誕生してしまった。

ドゥテルテ大統領は中国と、領有権問題を事実上棚上げすることで合意した。フィリピンと一体となって対中包囲網を築いていた米国としては、はしごを外されてしまった格好だ。

南シナ海問題でフィリピンが中国と大幅な妥協に踏み切れば、日米両国にも対フィリピン政策の抜本的な見直しが迫られる。日米両国もドゥテルテ大統領の言動に注目せざるをえない状況になっている。

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最終更新:2016/10/26(水) 5:00
BuzzFeed Japan