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「架空の歴史を信じない」。戦時に軍部を批判した皇族、三笠宮さまが注目される理由

2016/10/29(土) 6:10配信

BuzzFeed Japan

「何とかして戦争を終わらせたい」軍部を鋭く批判した

昭和天皇の末弟で、天皇陛下の叔父にあたる三笠宮崇仁さまが10月27日、亡くなられた。陸軍の参謀として南京に駐在し、戦中から戦争を批判。戦後も「作られた歴史」への批判を貫いた、そのお言葉にあらためて注目が集まっている。【石戸諭 /BuzzFeed Japan】

それは、1994年のことだった。当時、読売新聞が出版していた論壇誌「This is 読売」に史料が公開された。タイトルは「支那事変に対する日本人としての内省」(原文はひらがな部分がカタカナ)。

史料が作られたのは1944年。総力戦体制が進み、軍部批判が最大のタブーとされていた時期に、こんな言葉が綴られている。

「軍人に欠如しているものは『内省』と『謙譲』とである」

「(日本軍の毒ガス使用を指摘し)『聖戦』とか『正義』とかよく叫ばれ、宣伝される時代程事実は逆に近い様な気がする」

聖戦や、正義という一見すると正しい言葉に対する疑念とともに、日中戦争で「日本軍の暴虐行為、掠奪、強姦、良民への殺傷行為、放火等」があったとする記述もある。

明確な日本軍批判を展開した、この史料の筆者こそ、陸軍大学を卒業後、南京に赴いた三笠宮さまだ。軍内部、さらに皇族の軍部批判は「危険文書」として扱われ、没収、廃棄処分になったという。

なぜここまで軍を批判したのか。同誌のインタビューに率直な思いが語られている。
「何とかして戦争を終結させなければならない」と思い、やむにやまれぬ気持ちでまとめ、タイトルも自身でつけた可能性が高いことを認めている。

南京大虐殺「人数は関係ない」

「南京大虐殺」をめぐる議論についての質問にも答えている。

最近の新聞などで議論されているのを見ますと、なんだか人数のことが問題になっているような気がします。辞典には、虐殺とはむごたらしく殺すことと書いてあります。つまり人数は関係はありません。

戦時の中国でみた、衝撃的な映像についても述べている。

「南京の総司令部では、満州にいた日本の部隊の実写映画を見ました。それには、広い野原に中国人の捕虜が、たぶん杭にくくりつけられており、そこに毒ガスが放射されたり、毒ガス弾が発射されたりしていました」

「本当に目を覆いたくなる場面でした。これこそ、虐殺以外の何ものでもないでしょう」

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最終更新:2016/10/29(土) 8:40
BuzzFeed Japan