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【東京五輪】首相がいても「リーダーシップ不在」 CEOとして3兆円を管理するのは

2016/11/3(木) 6:00配信

BuzzFeed Japan

当初計画の4倍に及ぶ、3兆円に及ぶコストが問題視される東京五輪。「運営には、企業でいうCEO(社長)もCFO(最高財務責任者)もいない」と指摘する都政改革本部特別顧問の上山信一慶応大教授が、11月2日、外国特派員協会で会見を開き、リーダーシップの不在を改めて批判した。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

廃墟と化した過去のオリンピック開催地の写真

予算を管理するのは誰?

上山教授たちによる東京五輪の調査チームは運営のあり方を「大会準備の全体を取り仕切る司令塔がはっきりしない」と批判している。

この日の会見で配られた資料でも、上山教授は現状の運営体制を、「Lack of leadership by CFO and CEO」(「財務責任者」と「社長」によるリーダーシップの欠如)と表現。「全体のガバナンスを管理する状態が不十分だ」と指摘した。

そもそも、東京五輪の運営は、東京都と日本オリンピック委員会(JOC)が出資した組織委員会が中心になっている。

五輪は東京以外でも実施する超巨大なプロジェクト。そのため、組織委員会だけではなく、都や政府などの代表者が集う「調整会議」で重要な物事が決められていた。

上山教授は会見で、こう話した。

「調整会議には議長がいない。3兆円の予算を誰が管理するのか、はっきりしていない。全体の予算がどうあるべきか、何を優先するのかということを決めるCEOやCFOの役割がきっちりと決まっていない。ここに私たちは、危惧を覚えました」

しかし、11月1日に調査チームが発表した東京都への出提言では、CFOについて「都と運営委員会が共同で総予算を管理する体制」にすべきだと指摘する一方で、CEOについては触れられていなかった。

CEOは誰が担うべきなのか

BuzzFeed Newsは質疑応答で、この点について質問をした。果たして、誰がCEOの役割を果たすのか。

上山教授は「個人として、誰かを置くということではない」と言う。

「お金を出す都、政府、それからIOC(国際オリンピック委員会)の代弁者である組織委という3つの組織が一緒に仕事をすることは非常に難しい。だから、調整会議という役割が必要になります。その議長がCEO的なことをやれば簡単です」

なぜ、そこに「誰か」を置かないのか。

上山教授が指摘するのは、業務量や情報量の多さだ。各国の競技連盟や団体との調整、輸送や警備など各分野におけるIOCのルール、ガイダンスなど、扱う事柄の範囲は幅広い。

だからこそ、「個人ではなく、調整会議の事務局機能を実質的に強化していく」べきだと話す。

「全部をオーガナイズする全能のCEOに期待するというよりも、常にオープンに、すべての人がコミュニケーションをし、調整し続けることが大事なのだと思います」
上山教授は、こうも言う。

「五輪は政治から中立であることを非常に大事にしている。政治から距離を置いた民間組織が主体になるのが重要です」

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最終更新:2016/11/3(木) 6:00
BuzzFeed Japan