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天才経営者、HIS創業者の澤田会長が社長に復帰した理由とは?

2016/11/7(月) 9:00配信

THE PAGE

 旅行代理店大手エイチ・アイ・エスの創業者である澤田秀雄会長が11月1日、社長に就任しました。澤田氏はどのような人物で、社長交代から12年を経てなぜ今、澤田氏が復帰するのでしょうか。

気軽に海外旅行に行けるようになったのは澤田氏の功績

 澤田氏は、旅行代理店のHISをゼロから立ち上げた日本で有数の起業家です。澤田氏が創業した当時、格安航空券はあまり世間に知られておらず、ほぼゼロからの開拓でした。日本の航空業界が閉鎖的だったこともこうした状況に拍車をかけていました。現在のように、気軽に海外旅行に行けるようになったのは澤田氏のような起業家が格安航空券の市場を精力的に開拓したからです。

 HISが規模を拡大した後も、日本版LCC(格安航空会社)の先がけともいわれたスカイマークエアラインズ(現スカイマーク)を立ち上げたり、経営不振に陥っていた長崎のハウステンボスの経営再建を引き受け、あっという間に黒字化するなど、多方面での活躍を見せていました。しかし、創業した会社であるHISの社長はすでに後進に譲っており、直接経営には関与しないものと思われていました。

依然として残る後継者問題

 このタイミングで澤田氏が社長に復帰した理由として、事業の拡大により、新しい経営体制を確立するためとしています。確かに旅行代理店を中心とした以前のHISと比較すると、現在では本業の旅行代理店に加え、ハウステンボスを中心としたテーマパーク事業やホテル事業、運輸事業など多角化が進んでいます。しかし、こうした路線拡大は以前から進めていたことであり、少し唐突な印象は拭えません。澤田氏が復帰した本当の理由はやはり経営のテコ入れでしょう。

 同社は2014年10月までは訪日観光客の増加や高齢者を中心とした国内旅行の活発化などを背景に、順調に業績を拡大していました。しかし2015年に入ると売上高の伸びに鈍化が見られるようになり、2016年からはその傾向が顕著となっています。2016年10月の決算では売上高がわずかに前年を下回る見込みです。

 ユニクロを展開するファーストリテイリングは創業者がトップに復帰することで業績が拡大しましたし、ソフトバンクも孫社長が続投を決断したことで英ARMの買収が実現したといわれています。澤田氏は実績のある天才経営者ですから、復帰の効果は大きいかもしれません。しかし、ユニクロやソフトバンクと同様、HISは再び後継者というやっかいな問題を抱えることになります。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/11/7(月) 9:00
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