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急増する来日外国人 対策急務の「医療通訳」は課題山積

2016/11/5(土) 18:00配信

THE PAGE

 来日外国人や地域の外国籍住民が病院などで受診した際の通訳をどうするか。2020年に開催される東京五輪やインバウンドの拡大もあって対策が急がれています。長野市は先月末に「医療通訳体制検討委員会」を開き、県も交えて現状と問題点を検討。通訳の不在や不十分な通訳がトラブルにつながるおそれがあることが明らかになりました。コーディネーターを置くなどの試みがあるものの手探り状態で、問題は全国に波及しそうです。

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受診中に誤解した外国人患者が激怒した例も

 検討委員会は、外国籍の患者が安心して受診できるよう、医療通訳の体制や医療通訳者の養成について検討するのが目的。「県内各地から医療通訳体制の確立を望む声がある」とする長野県の国際課も加わって、長野市、近隣医師会、市保健所などの6委員で検討しました。

 委員からは「通訳は医療用語の習得が必要になる。また、医療通訳の実績を積むことが大切なので、まず一般診療で経験を重ね、少しずつスキルアップしていくよう育てることが必要」との意見がありました。

 医療の現場からは「特別の専門用語を知らなくても普通に通訳できるのではないか。医師もやさしい言葉を使って説明するようになっている」などの説明もありました。

 受診中のトラブルとしては、医療機関側の説明などが分からず状況を誤解した外国人の患者が激怒し、外国語が話せる看護師が駆け付けてやっと患者も落ち着いた―といったケースを報告。外国で不安を抱いている患者と、医療機関との基本的な意思疎通が極めて大切であることを示しています。

飯田市では派遣試行事業立ち上げ

 試行的な取り組みとしては、長野県飯田市で最近立ち上がった「医療通訳派遣試行事業」を紹介。地元の国際交流機関が仲介役となって外国籍の患者と医療機関、通訳の間を取り持ち、中国語5人、英語3人、ポルトガル語7人の通訳が対応する仕組み。まだ適用例はありません。

 この場合、患者と医療機関が交流機関に謝礼金を払います。一般外来の場合、医療機関が通訳派遣についての同意と、通訳が責任を負わない旨の文書を患者に通知します。 

 会議では、医療機関の中に通訳者を置くことや、第三者的なコーディネーターに期待する飯田方式のどちらが現実的なのか検討。医療機関の外国語ができる職員に対応させる方式は職場の負担も大きく、その職員の仕事にも影響が出るといった指摘がありました。

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最終更新:2016/11/6(日) 13:31
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