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JR北梅田駅、建設開始 開業で大阪はどう変わる? 秘められた可能性

乗りものニュース 2016/11/6(日) 10:00配信

大阪駅北側の地下で進むプロジェクト

 JR西日本が2016年10月27日(木)、大阪駅の北側付近で進めている「東海道線支線地下化・新駅設置工事」の様子を報道陣に公開しました。

【写真】関空特急「はるか」と比べ、非常に広大な梅田貨物駅跡地

 この東海道線支線は「梅田貨物線」とも呼ばれ、新大阪駅方面と関西空港を、大阪駅を経由せず結ぶ特急「はるか」などのルートになっている路線。そして同線へ新たに設けられる北梅田駅(仮称)は、大阪駅北側に広がる梅田貨物駅跡地の再開発エリア「うめきた」のシンボルともいえる存在です。この地下化と新駅開業により今後、大阪・キタにおける人の流れが一変するかもしれません。

 この日に公開されたのは、「東海道線支線地下化・新駅設置工事」の6つある工区のうち最も工事が進んでいる「北2工区」。繁華街の真ん中にぽっかりとできた広大な空き地、そのなかに入ると掘削された地下空間で着々と工事が進んでいました。

「この工事は、現在は地上を走っている東海道線の支線を地下に移設し、同時に新駅を造るものです。北2工区では深さ12m、幅12mの大きな溝を掘り、ここに高さ7m、幅11.5mの箱型トンネルを作る工事を行なっていて、現在は15%ほどが完了しています」と、工事所長の桐畑修一さんは話します。

 また、工事が公開された10月27日(木)には、「東海道線支線地下化・新駅設置工事」6工区のうち唯一、着工されていなかった「駅部工区」(北梅田駅部分)について、近くの神社で安全祈願祭が実施され、翌28日(金)からその工事が始められました。

 これにより、「東海道線支線地下化・新駅設置工事」は6工区すべてで工事がスタート。全面着工を迎えています。東海道線支線の地下化と北梅田駅の開業は2023年春の予定で、全体の工事費は約690億円です。

「なら・シルクロード博覧会」で注目された路線

 このたび大阪駅の北側付近が地下化される東海道線支線(梅田貨物線)、それができたのはいまから90年ほど前です。1928(昭和3)年に、それまで大阪駅で行っていた貨物の取り扱いを分離するため、大阪駅の北側に梅田駅(梅田貨物駅とも呼ばれる)を開設するとともに、同駅と吹田方面を結ぶ路線として開業しました。

 そして1934(昭和9)年には福島駅(大阪市福島区)方面、現在の大阪環状線へ続く線路も完成し、現在の形に。以後、この路線は貨物路線として重要な役割を担うことになります。

 転機が訪れたのは1988(昭和63)年のこと。同年に開催された、「なら・シルクロード博覧会」へのアクセス手段としてこの路線が注目され、ここを経由して新大阪~天王寺~奈良間を結ぶ臨時列車が設定されたのです。

 これをきっかけに、東海道線支線を経由した定期旅客列車の運転が計画され、翌1989(平成元)年7月からは紀伊半島方面への特急「くろしお」が、それまでの発着駅だった天王寺から延長運転し、新大阪、京都駅へ直通するようになりました。1994(平成6)年9月には関西国際空港の開港と同時に特急「はるか」も乗り入れ、いまではJR西日本有数の“特急街道”として、同社に欠かせない存在となっています。

 なお、大阪駅で東海道本線(JR京都線、JR神戸線)と大阪環状線が接続していますが、線路の構造から、東海道本線と大阪環状線の直通運転はできません。

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最終更新:4/14(金) 20:40

乗りものニュース