ここから本文です

岐路に立つ町内会・自治会 組織資産どう引き継ぐ?法人化という“選択肢”

2016/11/8(火) 16:00配信

THE PAGE

 長らくゴミの分別や収集、街の清掃や緑化、防犯、防災、交通安全、お祭りの開催など、町内会は行政の仕事を補完してきました。近年、町内会は全国的に加入率が低下していますが、その背景には新しい住民や単身の若年層が町内会の加入しないことが原因とされています。

岐路に立つ町内会・自治会

 また、ライフスタイルの変化で引っ越しは珍しくなくなり、地域とのつながりが希薄になることで、町内会との関係も以前とは変わってきています。住民との距離感に変化が生じれば、町内会のあり方にも自然と変化が生まれます。町内会の財政問題は、昭和から平成にかけて深刻な課題として直面しました。町内会の世代交代時期に差し掛かり、所有していた資産の引き継ぎがスムーズに進まなくなっていたのです。

町内会の資産 権利関係が曖昧なケース頻発

 地域によっても事情は異なりますが、町内会は寄合いのために、自前の集会所や防災のための広報宣伝車など、資産を保有しています。町内会は市町村の下部組織でもなく、法的に位置づけがなされていない、自主的な組織です。そうした組織のため、これまでは町内会名義で自動車や建物などを購入することができませんでした。町内会の所有物は会長などの代表者による個人名義もしくは有志数人の共同名義で購入されていたのです。

 しかし、名義人が遠方に引っ越しをしてしまったり、亡くなったりという、何らかの事情で権利関係が曖昧になってしまうケースが頻発していたのです。名義人変更などを迅速に済ませれば問題は起こりませんが、町内会の資産だとそのまま忘れられてしまい、放置されてしまうことも少なくなかったのです。

1991年から町内会・自治会も法人格が取得できるように

 権利継承者が不明のままだと、集会所などが老朽化した場合に建て替えなどで迅速な対応ができません。そうした問題が表層化したことをきっかけに、政府は1991(平成3)年に地方自治法を改正。町内会や自治会などの自主的な組織であっても法人格を取得できるようにしたのです。総務省自治財政局住民制度課の担当者は、当時の背景を、こう説明します。

 「活動に必要な町内会館といった不動産を所有している町内会や自治会は、たくさんあります。ところが30年前ぐらいから、不動産の権利が曖昧できちんと継承できていないケースが問題になっていました」。

 町内会の活動は、市町村にとっても住んでいる住民にとっても欠かせないものです。そうした活動を永続にするために、町内会が法人格を取得し、不動産や金融資産などを管理する必要性が出てきたのです。

 「法人格の認可権限は市町村にあり、町内会が法人格を得るためには町内会の名称・区域・事務所の所在地・構成員の資格・代表者に関する事項といった規約を定めなければなりません。また、相当数の住民が実際に構成員として加入している必要もあります。法人格を有しない町内会と区別して、こうした法人格を取得した町内会は認可地縁団体と呼ばれるようになりました」(同担当者)。

1/2ページ

最終更新:2016/11/8(火) 16:00
THE PAGE