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自動車メーカーの決算、円高で冴えず。ものづくりはどこですればいいのか?

2016/11/10(木) 10:50配信

THE PAGE

 これまで絶好超の決算が続いていた自動車メーカーの決算が冴えません。このところ進んだ円高が直撃した格好です。日本メーカーの業績はこれまでも為替に左右され続けてきましたが、一部の企業は、為替の影響を受けにくいよう徹底的に現地生産化を進めてきました。国際的には製造業の地産地消化が進んでいますが、日本メーカーはどこでモノづくりをすればよいのでしょうか。

為替への依存度が高い富士重工

 富士重工業が2日に発表した中間決算は、円高が進んだことなどから減収減益となりました。売上高は前年同期比マイナス1.5%の1兆5776億円、営業利益はマイナス26.9%の2085億円となり、同社は通年の業績見通しも引き下げています。

 国内の販売台数は前年同期比2.3%増、海外の販売台数は9.4%増と好調だったのですが、円高によって販売台数の増加分が吹き飛んでしまいました。

 同社は自動車メーカーの中でも国内生産比率が高い企業として知られています。2015年度には約95万台の自動車を生産していますが、このうち国内で作られた分は全体の75%に達します。一方、同社が製造するSUBARUブランドの自動車は米国での評価が極めて高く、販売の約65%が北米市場、他の地域を合わせると全体の85%近くが海外市場向けです。国内で作って海外で売るという典型的な製造業のビジネス・モデルですから、為替への依存度がどうしても高くなってしまうのです。

地産地消化が進む製造業

 一方、富士重工の筆頭株主であるトヨタ自動車は、積極的に海外生産を進めてきた企業ですが、トヨタの中間決算もあまり良い数字ではありませんでした。売上高は前年同期比マイナス7.2%、営業利益はマイナス29.5%とやはり減収減益です。トヨタは生産の半分以上が海外ですから、富士重工ほど為替の影響を受けないはずです。しかしトヨタの場合には、北米市場で苦戦しており、これによって販売台数が伸び悩み、決算の足を引っ張りました。

 富士重工は、販売台数そのものは好調でしたから、為替が円高になっても、トヨタと同程度の減益で済んだわけですが、もし販売台数も大きく落ち込んでいたら、決算の数字はさらに悪くなっていたでしょう。

 全世界的に見ると製造業は地産地消化が進んでおり、消費地の近くで生産する傾向が強まっています。また米国は人口が今後も継続的に増加する数少ない先進国のひとつであり、高い需要の伸びが期待できます。各社とも北米市場がカギとなりますから、ここをどう攻略するのかで業績が決まってしまいます。円安になった時の効果を最大限に享受できるよう国内生産を維持するのか、より積極的に現地生産を進めるべきなのか、悩みは続きそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/11/10(木) 11:01
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