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トランプ大統領誕生で米国経済は好景気に? 日本流の稼ぎ方は終わる恐れも

2016/11/9(水) 18:10配信

THE PAGE

 大接戦となった米大統領選挙は、土壇場でトランプ氏が逆転勝利するという驚くべき結果となりました。市場は予想外の展開に大混乱に陥っています。トランプ大統領が誕生するということになると、日本経済にはどのような影響が出てくるのでしょうか。

TPP協定の行方は?

 トランプ氏の大統領就任で最初に懸念されるのはやはりTPP(環太平洋パートナーシップ)協定の行方でしょう。トランプ氏は当初、メキシコとの国境に壁を作ると宣言、NAFTA(北米自由貿易協定)やTPPについて否定的な見解を示していました。党の正式な綱領では、貿易協定を撤廃するとは宣言していませんから、トランプ氏がどのような対応を取ってくるのか、現時点では何とも言えません。

 ただ、TPPから全面撤退にはならなかったとしても、米国の労働者を保護するという名目で、日本側が不利になる条件を持ち出し、再交渉してくる可能性は十分にあるでしょう。現状のTPPがそのまま批准されるとは考えない方がよさそうです。

 一連の自由貿易交渉が頓挫するということになると、輸出立国である日本にとっては大きな打撃となります。日本や欧州など各国の株式市場にも悪い影響を与えるでしょう。米国市場も短期的には大きな混乱が生じるかもしれません。

トランプ時代の米国は好景気に?

 ただトランプ氏の大統領就任によって米国経済が長期的に打撃を受けるのかというと話はまた別です。トランプ氏は少なくとも5000億ドル(約51兆円)規模のインフラ投資を実施すると公約に掲げています。議会との交渉がありますから、この金額がそのまま通るかどうかは分かりませんが、一定以上の財政出動が行われる可能性は高いとみてよいでしょう。

 現在の米国はなかなか低金利から脱却できない状態ですから、大規模な財政出動は米国経済を活性化させ、金利を正常に戻す役割を果たす可能性があります。長期的に見ても、米国はシェールガスの開発によってすべてのエネルギーを自給できる状況にあり、先進国では珍しく人口増加が続く見込みです。米国単体で見た場合、トランプ時代は意外と好景気になるかもしれません。

保護主義が高まれば日本の製造業にとって逆風

 もっとも日本から見ればその逆になります。当面は円高のリスクがありますし、中長期的には保護主義が高まることで、製造業にとって逆風となる可能性もあります。輸出大国やモノ作り大国を標榜し、何でも受け入れてくれる米国にモノを売って大きな利益を得るというこれまでの日本人の稼ぎ方は、トランプ氏の大統領就任によって終わりを迎えるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/11/9(水) 18:29
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