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ミニシアターはスマホ時代に生き残れるか?アップリンク渋谷の挑戦

2016/11/12(土) 10:52配信

BuzzFeed Japan

渋谷・宇田川町にあるミニシアター「アップリンク」が、オンライン映画館「アップリンク・クラウド」をオープンした。

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これまで同社が上映、配給した作品の中から、「マンガをはみだした男 赤塚不二夫」「バンクシー・ダズ・ニューヨーク」「バレエボーイズ」など、まずはドキュメンタリーを中心に約20作品をラインアップする。

過去の作品のアーカイブだけでなく、劇場公開中の最新作も一部オンラインで同時配信するのが大きな特徴だ。今後、数百作品程度に増やしていきたいと意気込む。

複数スクリーンを持つシネコンが主流になり、小規模な映画館は全国的に減少傾向にある。1986年に渋谷にオープンし、アップリンクとともにミニシアターブームを牽引した「シネマライズ」も今年初めに閉館した。

インターネットを介せば、時間も場所も超え、自由に映画鑑賞できるようになる。時間にも場所にも制約があるミニシアターにとって、それは脅威か、それとも光明か?

BuzzFeed Newsは、浅井隆社長にミニシアターのこれからの生存戦略を聞いた。

“荒野”で運命の一本に出会えるか

――「アップリンク・クラウド」、ありそうでなかった面白いサービスだと思いました。どういうきっかけで生まれたのでしょうか。

今、HuluとかNetflixとかU-NEXTとかビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスが増えてますよね。アップリンクの配給作品も、もちろん提供しています。

定額制のサービスの場合はだいたい買い切りで「年間いくら」で契約することが多いです。じゃあだいたいこの何本をざーっといくらで、って買っていく。作品一つ一つに思い入れがあるわけではなくて……まぁ、数を増やすビジネスだからそうなるよね。

そうなると結局「何万作品あります!」とうたう大きいプラットフォームに配信しても、結局どうやって自分が観たい一本にたどり着くの? ってなる。お客さんだって荒野にポーンと放り込まれても、タイトルわかってなきゃ検索すらできない。

だから、トップページでおすすめしてるものをなんとなく観ることになる。好きになるはずの作品がこの何万本の中にたくさんあるはずなのに。新しい出会いは生まれてない。

そもそも「これから何観よう?」って時に、最新作も過去の名作も選べてしまう今は、選択肢が多すぎる。たくさんの中から面白いものを選べるよ! ってこっちに丸投げすぎだよね。しかも観たいのに限って、VODにないっていう(笑)。

今のVODってレンタルビデオの代わりなんだよね。なんとなく、DVDになって1年くらい経ったら追加するような空気になっている。「あー、あの時観たかった映画だ」って、その頃になると忘れてる。

世界中の映画を吟味して配給、上映してる側として「どう届けるか」に対する問題意識はずっとあったし、キュレーションしてあげるニーズは感じてたんだけど、やっぱり自前でサービスを持つのは大変すぎる。この数年、歯がゆい気持ちでいたんです。

アップリンク・クラウドがプラットフォームとして使ってるVimeoは、この1、2年で映画業界ではすっかり定番になったツール。

今まで海外に買い付けにいくとサンプルDVDをもらっていたけど、今はVimeoのURLとパスワードをもらうようになった。業界の内側もどんどんクラウド化してる。

Vimeoの決済ツールを使えば、自分が想像するのに近い形で「映画館」を作れる、「これだ!」ってなったんです。

――「アップリンクが作る新しいVOD」ではなく「映画館をそのままクラウドに」のイメージなんですね。

そうそう。“オンライン・セレクトシネマ”というコピーにしたのもそういう意味。

クラウド上に映画館をもう1つ作ろうと思ったんです。場所も時間も関係ない映画館。仕事が忙しい人も、地方に住んでいる人も、子育て中の人や病院から外に出られない人も、来られる映画館。

20年以上劇場やってきてわかったことはさ、映画は「観たい時が観たい時」だってこと。

スマホとSNSが普及してからさらにそう。記事で読んだり、SNSで友達が面白いって言ってたり、ブログで話題になったりしてるものを今すぐ観たいわけ。その「今」に答えてあげる流れに、これから絶対なっていくと思うよ。

僕らがよく扱う海外のドキュメンタリーは、そもそもレンタル対象にならないことが多いのが現状。TSUTAYAも例外を除いて仕入れていません。劇場公開が終わると観る手段がほとんどなくなってしまう。

東京近郊はともかく、地方はもっと深刻だよね。最寄りの映画館まで片道2時間、交通費だけで結構な額になることも珍しくない。しかも、そうやってたどり着いたシネコンでは僕たちが配給しているような映画は大抵やってない。ネットで宣伝は見てるのに、興味はあるのに! という人はたくさんいると思う。

だから、アップリンクで公開中の作品も、可能な限り並行してクラウドでも配信していきたいと思ってる。

実際、今扱っている20作品の中でも、劇場公開中の「聖なる呼吸」が一番よく観られているし、「オンライン映画館」のニーズはやっぱりあるんだよ。

価格は1200円で、300円や500円の他の作品や、レンタルビデオより高いけど、やっぱり値段じゃない。だって「観たい時が観たい時」だから。観たい時に目の前にあれば、お客さんはちゃんとお金を払ってくれる。

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最終更新:2016/11/12(土) 10:52
BuzzFeed Japan