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休んでいるのに書類上は復職。育休から「仮面復職」する理由

2016/11/12(土) 11:10配信

BuzzFeed Japan

来年4月入園の認可保育園の申し込みが始まっている。住んでいる自治体や、申し込む時期によって入園事情が違うなかで、本来しなくてもよいはずの「努力」をしている人たちがいる。【BuzzFeed Japan / 小林明子】

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保育園に預けてカフェで暇つぶし

もうすぐ1歳になる長男がいる、東京都内に住む会社員女性(31)。朝、認可外の保育園に息子を預けると、カフェに入った。ここで数時間をつぶす。

育児休業は終わっている。だが職場には一度も復帰せず、有給休暇を取っている。休み続けているのだから、本来ならそのまま育休を取ればいいのだが、わざと早めに育休を切り上げて、有休に切り替えた。書類上は「復職」したことになっている。

認可保育園に子どもを預けるためには「働いていないといけないから」。つまり「仮面復職」をしたわけだ。

有休をここで使うしかない

「息子が1歳になるくらいまでは、仕事を休んで子育てをしたい」

女性は、息子が1歳になった後の来年4月に認可保育園に入園させ、職場復帰するのがベストだと思っている。ところが4月は同じように育休明けの入園希望者が多く、横並びの厳しい選考になる。

頭ひとつ抜け出すための方法の一つが、職場復帰している証明書と、認可外の保育施設に預けている証明書を提出することだ。「すでに働いており、保育の必要性が高い」と判断され、入園選考では育休中の人よりも優位に立てる。

二つの証明書は、入園申し込みが締め切られる来年1月までに提出しなければならない。女性は30園ほど見学して、ようやく空きのある認可外の保育施設を見つけた。一時的な預け先は確保できた。では、復職のほうはどうするか。

息子はまだ1歳になっていない。できれば今すぐに復職せず、一緒にいたい。

女性は、会社の上司と人事部に相談した。出社しないが、書類上は復職するので、勤務証明書を書いてもらえないか。実際に出社するまでの1カ月超は、有休を使って引き続き休ませてもらえないか。そうしなければ、4月に認可保育園に息子を預けられないかもしれないーー。そして何とか、職場の理解を得ることができた。

だが不安なのは、有休が減ることだ。前年度からの繰り越しぶんを含め、1カ月超の有休を一気に消化することになる。実際に復職した後、子どもが病気になったときに休むことができるのだろうか。

「子育てしながら働くのは初めてだから、どのくらい子どもが病気をするかもわからない。心配です。できればここで有休を使いたくなかったけど、認可保育園に確実に預けるために、他にできることが見つかりませんでした」

実際は子どもの面倒を見ることができるのに、証明書のためだけに、月7万円かけて施設に預けている。子どもにも、職場にも、そして入園申し込みをしている他の親たちに対しても、どこか後ろめたさを抱えている。

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最終更新:2016/11/12(土) 11:10
BuzzFeed Japan