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TPP法案が衆院本会議で可決も、TPPの承認は現実的に困難か

2016/11/14(月) 11:43配信

THE PAGE

 TPP(環太平洋パートナーシップ)協定関連法案が10日、衆院本会議で可決され、参議院に送付されました。与党としては大統領選挙の前に可決したいところでしたが、採決は選挙の後になってしまいました。しかも、TPPに否定的な見解を示してきたトランプ氏が大統領に就任することが決定し、TPPの行方そのものが怪しくなっています。TPPはどうなってしまうのでしょうか。

 TPPは約5年という長い交渉期間を経て2015年10月に各国が大筋合意に至り、翌2016年2月には、ニュージーランドで署名式が行われました。ここから2年以内に各国が議会承認といった国内手続きを終了すれば正式に発効に至ります。

 オバマ政権はTPP発効に前向きでしたが、今回の大統領選挙に立候補した共和党のトランプ候補はTPPに対して反対する意向を表明しました。クリントン候補は当初、方向性を明確にしていませんでしたが、世論の変化を感じ取り、結局は反対の立場に転向しました。

 日本政府は米国の大統領選挙の前に承認手続きを終了させ、米国に承認を促したいところでしたが、国会での議論はスムーズに進みませんでした。民進党など野党はTPPに反対していますが、与党の一部からも疑問視する声が上がっていました。またTPPを担当する山本有二農相が失言を繰り返し、不信任決議案が提出されるなど議事運営も混乱を極めました。結局、採決は10日に行われましたが、すでに米国の大統領選挙の結果が出た後になってしまったわけです。

 米議会はトランプ氏の当選を受けて、今年中のTPPに関する審議を断念しています。米国でTPPをどのように扱うのかについては、トランプ大統領と今回の選挙結果を受けた新議会次第ということになりますから、現時点で状況を見通すことはできません。

 ただTPPの承認は現実的にかなり難しいというのが大方の見解のようです。トランプ氏はTPPに加えてNAFTA(北米自由貿易協定)についても見直しを求めていますが、今の米国経済はメキシコとほぼ一体となっており、NAFTAからの撤退は事実上困難です。それに比べてまだ発効していないTPPから撤退しても現状が維持されるだけですから、それほど大きな影響はありません。トランプ氏が公約実現をアピールする材料としてTPPは最適なのです。

 ちなみに2年以内に各国が承認できなかった場合には、GDP(国内総生産)の85%を占める6カ国が手続きを行うことで成立させることが可能となっています。しかし米国だけで60%を占めるため、米国の承認なしでは、TPPは発効されません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/11/14(月) 11:43
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