ここから本文です

反田恭平、ピアノは体幹 コンチェルトで魅せたバランス感覚/インタビュー前編

MusicVoice 2016/11/18(金) 14:10配信

 若き天才ピアニストの異名を持つ反田恭平(22)が11月23日に、通算2枚目のアルバムとなるラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番/パガニーニの主題による狂詩曲』をリリースする。デビューリサイタルを異例のサントリーホール大ホールでおこない、今年10月にはTBS系番組『情熱大陸』でも特集されるなど注目を集めている逸材で、超絶技巧で聴くものを魅了する。前作でみせた“リスト”との共鳴に対し、今作では作曲家でもありピアニスト、さらに指揮者までもこなすラフマニノフの楽曲にコンチェルト(協奏曲)で挑戦した。同じ20代の指揮者であるアンドレア・バッティストーニとともにイタリアでレコーディングした「ピアノ協奏曲第2番」はレコーディング前夜に倒れるというアクシデントのなかで敢行した。今回は「温かいラフマニノフ」を目指したという今作について、王道楽曲に挑戦することへの心構え、ピアノを弾く時に大切にしていること、ロマン派の特徴などについて前後編に渡り話を聞いた。

重要なのは“体幹”

――反田さんの作品や演奏、素晴らしいと感じると同時にその若さに驚きです。

最近ちょっと髭を生やし始めたので上に見られてしまうのかもしれませんが、同級生はちょうど就活中、大学4年、22歳です。


――少し上の歳に見てもらいたいと思うような時期なのでしょうか。

 デビューアルバム「リスト」の時が、ジャケットで若く見させる為に髭もなしのサラサラヘアーで撮影したんですけど、今は僕の強い要望で暗黙の了解で髭を生やしています(笑)。

――8月30日から9月1日にかけておこなわれた3夜連続ピアノコンサートの感触はどうでしたか?

 本当に貴重な体験でした。個人的には3日連続リサイタルというのは初めてだったんです。伴奏やデュオなどの公演で3日間たまたま本番が続くという事はあったのですが。デビューリサイタル以降はちゃんとしたソロのリサイタルをやっていなかったので、体力面の問題、集中力の問題があったり…。でも、意外といけたんです。弾いているとあっと言う間でした。

――やはり集中力がそうさせたのでしょうか。

 最初は正直「大丈夫かな…?」というのはありました。来年のツアーもありますし、ある程度は自分の体力の事も知りたかったので、6日間を承諾したんです。結果、意外にも問題なく集中できて、最後までいけました。

――体力面でも大変と思います。モスクワのジムでの体力トレーニングが活きた?

 絶対にそうですね。やってなかったらちょっと不安でした。

――時間的にはどれくらいジムでトレーニングを?

 週に2、3回くらいしか行ってないんですけど、気が済むまでやるので。だいたい10kmくらい走って、それからマシーンでトレーニングしたり。だいたい2、3時間ですね。そもそも身体を鍛えようと思ったのは、大ホールで弾くアーティストになるにはちょっと考えなければ…という事で鍛え始めました。

――ジムでサンドバックを叩いているようですが大丈夫ですか? ピアニストにとって指はとても大事ですし。

 僕は良いと思うんですけどね。

――けっこうロックですね…。

 日本に帰って地元に戻ると、『情熱大陸』を観てくれた人が、サンドバッグを殴ってた事に対して心配してくれて、みんなグローブを買ってくれると言ってくれるんです。

――それはもう素手で殴っていましたからね。

 やるんだったら素手でやった方がいいと思うんです。中手骨を鍛えたいんです。ここを太くして弾く力をつけたいので、そのためにグローブなしでやっていたんです。

――けっこうな力で叩いていましたよね。

 あのサンドバッグは100kgくらいあるし、すごく硬いんですよ。

――それを揺らす訳ですから、力が要りますね。

 そうですね。まずは構えて、ある程度揺らして、返ってきた振動で振られない体幹を作りたかったんです。趣味とはいえ真剣なので。Twitterやファンクラブのメッセージなどにもアドバイスが来るんです。「もう少し違う殴り方がありますよ」とか「そこはもうちょい足を開いて」とか、たくさんアドバイスを頂きました!

1/2ページ

最終更新:2016/11/18(金) 14:10

MusicVoice

Yahoo!ニュースからのお知らせ