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PenとAppleで世界を目指すもよし 「一芸バイリンガル」という在り方

2016/11/30(水) 18:56配信 有料

THE PAGE

 「とりあえず幼い頃から英語を学ばせよう」という気楽な気持ちで、英語の早期教育を始めても、グローバルに活躍できるエリートを育てるのは難しいと説明してきました。マインド、つまり本当に伝えたいことなくしては、英語をはじめとした外国語のスキルは必要ないのです。

 しかし、世界に向けて発信したい、もしくは獲得したい知識や技能が日本ではないどこかにあるという場合、早期教育では到達するのが難しいバイリンガルへの道を案外あっさり切り拓いてしまうケースもあるのです。「一芸」の力が生み出す必然的バイリンガルの強みを東京コミュニティスクールの探究プロデューサー、市川力さんが 解説します。


  「一芸」を持っているのはトップアスリートやアーティストだけではない

  前回は、子どものときからバイリンガルになった人たちの特徴について書いた。今回は、英語力的には決して高いとは言えないのに、バイリンガルと同等、むしろそれ以上の力を発揮する方法について述べてみたい。

 私たちが英語を必要としているのは、英語の力をひけらかしたいためではない。英語「で」伝えたい「何か」、英語「で」知りたい「何か」があるからだ。この「何か」を高めることでグローバルに活躍する結果となり、後から「英語」がついてきたケースがある。このような「一芸」バイリンガルと呼べる人々が実はグローバルで多く活躍している。

 「一芸」バイリンガルの筆頭は、アーティストとアスリートであろう。彼らは「外国語」以前に世界で活躍するに価する「一芸」を持っている。実力を高めるため海外で修業し、活動の拠点を移してから必要に迫られて外国語を習得した。ピアニスト、バイオリニスト、指揮者、画家などは、言葉ではないメディア(楽器の音、声、描かれた絵など)での実力が先で、そのうえで語学が必要になる。テニスの錦織圭選手の英語力も、卓球の福原愛選手の堪能な中国語力も、ワザを身につけるプロセスで必然的に上達したものだ。

 メジャーリーグ、シカゴカブスの川崎宗則選手のように、野球以上にチームのムードメイキングで活躍したケースもある。この場合も、語学力以上に、場の雰囲気を読みとり、どうやったら盛り上がるかを知っている川崎選手のキャラクターが突出すべき「一芸」だった。その「芸」の価値が認められたからこそワールドシリーズのベンチ入りメンバーではないのに、チームに帯同することを許された。そして、見事ワールドチャンピオンを勝ち取ることにつながった。

 アーティストやアスリートの場合、専門性が高いため、会話する場合でも、ある程度決まった単語やフレーズで表現することが多くなる。一般的に幅広く学ぶ必要はないわけで、必要に迫られたときに集中して学んだ方が効率がよいのだ。

 とはいえ、世界で活躍する一流のアーティストやアスリートになるためには、やはり早期からの英才教育が必要で、もっというとバイリンガルを育てる以上にハードルが高い。

 「そりゃあ愛ちゃんや錦織くんぐらいの実力があれば英語なんて二の次かもね」と思われるだろう。しかし、彼らの英語の身につけ方の中に、「普通の人」が「英語」をものにする上での大きなヒントがある。それは自分の持つ「一芸」とグローバル場面をつなげ、仕事の必然性の中で外国語力を磨いてゆくやり方である。

 なにもトップアスリートやアーティストだけが「一芸」を持っているわけではない。一般の方々も持ち得る「一芸」がある。その「一芸」とは、自分がよく知っていて、はまっていて、確かなワザを持ち、それがグローバルな場面で活用できるものならばなんでもよいのだ。本文:4,851文字 この記事の続きをお読みいただくには、THE PAGE プラスの購入が必要です。

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最終更新:2016/12/1(木) 22:11
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