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トランプ氏にアドバイス?いまだ影響力を持つキッシンジャーってどんな人?

2016/11/25(金) 8:00配信

THE PAGE

 トランプ政権の外交や安全保障面での人事が徐々に固まりつつあるようです。基本的に保守派の人物が中心となりそうですが、2012年における共和党の大統領候補者で穏健派のミット・ロムニー氏が国務長官候補として名前が上がるなど、党内のバランスにも多少、配慮しているようです。

最大の功績は、電撃的な米中国交回復

 ビジネスマン出身で、外交や安全保障にはそれほど詳しくないとされるトランプ氏ですが、政策や人事についてキッシンジャー元国務長官からアドバイスを受けているという報道が出ています。果たしてキッシンジャー氏とはどのような人物なのでしょうか。

 キッシンジャー氏は、1969年から1974年まで大統領を務めたニクソン氏の下、安全保障担当大統領補佐官や国務長官を歴任した人物です。同氏の最大の功績は、やはり電撃的な米中国交回復でしょう。キッシンジャー氏は、ニクソン氏の意を受け、国務省(日本の外務省に相当)にも一切知らせず、極秘裏に中国を訪問。ニクソン氏による米中国交回復を取り仕切りました。

 キッシンジャー氏は強固な現実主義者として知られ、米国の国益を第一に、徹底してパワーバランスを重視する外交戦略を主張しました。世界に民主主義を広げるといったリベラルな理想主義とは無縁であったことから、同氏の外交理論に対しては、一部の識者から批判の声もありました。しかし、同氏の掲げた現実主義は、今でも米国の外交政策の中で大きな力を持っています。

 高齢となった同氏の影響力がまだ衰えていないことを世界に知らしめたのは、やはり9.11の同時多発テロでしょう。ニューヨークがテロ攻撃に遭い、米国全土が混乱している最中、キッシンジャー氏はいち早く「これはパールハーバー(真珠湾攻撃)である」と発言。この発言は米国の世論に大きな影響を与えました。

トランプ氏の外交政策も現実主義に傾く可能性

 もしトランプ氏がキッシンジャー氏からアドバイスを受けているのだとすると、トランプ氏の外交政策も現実主義に傾く可能性があります。キッシンジャー氏は常々、米国に脅威を与える大国となるのは中国であり、中国との戦争を回避するためには、あらゆる手段を講じる必要があると主張しています。つまりキッシンジャー流に解釈すると、日米同盟ですら、中国との交渉に際して邪魔であれば、必要に応じて見直すということにもなりかねません。

 実際、トランプ氏はテロ対策として必要であればロシアと組むことも厭わない姿勢を見せていますし、CIAの長官には強硬派と呼ばれる人物を指名しています。

 安倍首相とトランプ氏の会談内容は一切公開されていませんし、トランプ氏が日本に対してどのような外交姿勢で臨んでくるのかは今のところまったく分かりません。しかしキッシンジャー氏の影響力が本当に大きい場合、日本はかなり難しい交渉を迫られることになるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/11/25(金) 8:00
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