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三菱電機で残業隠し 研究職男性が精神疾患で労災認定「15時間職場にいたのに残業は2時間?」

2016/11/25(金) 16:35配信

BuzzFeed Japan

三菱電機の元研究職男性(31歳)が、精神疾患になったのは長時間労働が原因だったとして、藤沢労働基準監督署に労災認定された。男性は11月25日に厚生労働省で記者会見し、解雇の撤回と職場環境の改善を訴えた。男性は会社から「病気休業の期間が終わった」として解雇されている。【BuzzFeed Japan / 渡辺一樹】

2014年1月以降、著しく業務量が増加

男性は2013年4月、研究職として入社した。配属先は、神奈川県鎌倉市の情報技術総合研究所。半導体レーザーの研究開発をしていたという。

労基署は、男性が2014年4月上旬ごろ、「適応障害」を発症したと認定。2014年1月以降、研修論文作成業務で著しく業務量が増加し、それまでの倍以上、月100時間を超える時間外労働があるなど、心理的負荷が「強」だったとして、11月24日付で労災を認めた。

ところが男性の場合、会社に記録された残業時間は、2015年11月16日~12月15日が37時間30分。翌月以降も37時間、59時間30分、52時間、32時間だった。

男性は、残業時間を「自己申告」するルールだったが、時間通りの申告が許されなかったのが原因だと主張。「会社による残業隠しだ」と批判している。

IDカード「入退室記録」と「残業記録」に大きな差

男性の職場はIDカードで入退室が管理されていた。その「入退室記録」と、残業記録の数字には大きな差があった。

例えば2014年6月13日、男性は職場に午前8時17分に入室、午後11時19分に退室していた。しかし、残業記録は2時間だった。

なぜこんなに差があるのか。組合との交渉の場で会社は、残業になっていない分は「自己啓発時間」だと説明したという。勝手にやっていることだから、労働時間にはならないという理屈だ。

男性が所属する労働組合、よこはまシティユニオン書記次長の川本浩之さん「もっと仕事をしろと叱責されていたのに、会社で自己啓発する時間があったはずはない」と指摘する。

時間通りの申告「許されなかった」

男性は2014年2月に、およそ月160時間の残業をした。その月は休みが2日間しかなく、その休みの日にも寮で仕事をしていた。この時には上司が「70時間まで付けていい」と伝えてきたので、59時間と申告したという。

男性は「『残業は40時間未満でつけろ』と、直属の上司から言われていました」と語る。39時間、39時間、39時間だと怪しまれるので、35時間とか、36時間とか、不自然にならないようにしろ、とメールで指導されたこともあった。

同じ職場の先輩たちに、みんなちゃんと付けているのかを尋ねたところ、「ごまかしている」との答えがあった。自分より仕事ができる先輩たちが時間通りに付けていないのに、新人の自分は付けられないと、考えたそうだ。

さらに、時間通り申告した先輩が、上司から「なんでだ」「ブラックもクソも関係あるか」と怒られているのを目撃したこともあったという。

「ちゃんと付けたら、自分もどやされると思って、嘘を書いていました」と男性は語った。

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最終更新:2016/11/25(金) 18:20
BuzzFeed Japan