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働きやすさか働きがいか 電通のくるみんマーク返上で問われる「いい会社」の基準

2016/11/29(火) 5:10配信

BuzzFeed Japan

新入社員の女性(当時24歳)が過労のため自殺した大手広告代理店・電通。厚生労働省は過去3回にわたり、電通を「子育てサポート企業」として「くるみんマーク」の認定をしていた。電通は認定を返上。マークの意味は何だったのか。【BuzzFeed Japan / 小林明子】

もしも年賀状や宅配便が届かなかったら あなたの便利のために、誰かが働いています

認定は「実態を押さえていない」

子育てサポート企業とは、次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の基準を満たした企業を厚生労働大臣が認定するもの。2016年9月末現在で2657社が「くるみんマーク」の認定を受け、より高い水準の「プラチナくるみん」は106社が認定を受けている。

日本共産党の倉林明子議員は、11月8日の参院厚生労働委員会で、プラチナくるみん認定を受けた大企業のなかにも、残業時間協定が「過労死ライン」とされる80時間を超え、90~120時間の企業があると指摘した。

その一方で、例えば、ほとんどの従業員が午後5時に退社している化粧品会社のランクアップは、2人しかいない男性従業員が子育て中ではない。そのために「期間中に男性の育休取得者がいる」という認定基準を満たしておらず、くるみん認定を受けていない。

塩崎恭久厚労相は「必ずしも実態をすべて押さえていないのではないかという指摘を踏まえたうえで、今後、より適切な認定基準を作っていきたい」と、認定のありかたを見直す考えを示した。

実態を押さえていないものであっても、企業がくるみんマークを取得したがるのはなぜか。

転職市場では「効果薄」

厚労省の認定を受けると、くるみんマークを商品や広告などにつけ、子育てしやすい企業であるとPRすることができる。厚労省のホームページに会社名が掲載され、税制優遇措置も受けられる。

就活情報サイトなどでは、女子学生のために「子育てに優しい企業を探すキーワード」として、くるみん認定企業を紹介していることもある。

ただ、実際の事情は異なるようだ。

転職情報サイトのエン・ジャパン人材紹介事業部長の菊池篤也さんは「新卒はともかく、中途の転職市場においては、くるみんマークはそれほど効果がありません」と話す。

「転職者は、より自分に合った働きかたを求めています。制度があっても実際に使えるのか。土日休みや残業なしというのは本当か。長く働き続けられそうか。口コミサイトなどで調べたうえで、実際に社員から話を聞きたいというニーズが多いです」

制度がどうであれ、リアルな実態を知りたがっている、というのだ。

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最終更新:2016/11/29(火) 5:10
BuzzFeed Japan