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客層の変化で増える声優ライブのマナー違反 ホリプロはサイリウム禁止を発表

BuzzFeed Japan 2016/11/30(水) 15:14配信

「アイドルと声優の2つのファンが相互流入し、急速に文化が近づいていると感じます」

そう語るのは漫画家の藍さん。アイドルファンを題材にした漫画「ミリオンドール」の作者で、自身もアイドルのライブに通う。アイドル業界についてのトークイベントも開催している。

以前から迷惑行為をするファンは声優のライブでも存在したが、全体的には大人しく、静かに見たいというファンが多かった。

しかしアニメ「ラブライブ!!!」から派生したμ’sや「アイドルマスターシンデレラガールズ」などのヒットによりアイドル声優ファンが急増。

声優やアニソンアーティストを集めたライブフェスイベントも増え、客層が変わり始め、「厄介」と呼ばれる迷惑行為をするファンの相互流入も始まったという。

サイリウムを投げる行為は、アイドルファンの中で「スターダスト」と呼ばれる。もともとは手が滑って、サイリウムが空中を飛ぶことを指していたが、いつしか故意に投げる行為へと変化してきた。

アイドルグループ「でんぱ組.inc」の最上もがさんは2015年、ライブで見られたサイリウム投げに対し、ツイッターで「誰かに迷惑をかけるやり方は最低だと思ってます」と不快感を示している。

2016年9月に行われたアイドルフェス「@JAM×ナタリー EXPO 2016」では、アイドルグループ「ベイビーレイズ」のライブ中、事前に注意したにもかかわらずサイリウムが投げられ、メンバーたちがステージ上で泣いて抗議する場面自体もあった。

藍さんによれば、アイドルライブでも声優ライブでも、ライブに慣れていない若いファンが集団心理で迷惑行為に走るケースが増加している傾向にある。

「会場の規模が小さいころからのファンは、迷惑な行動をとったら現場がなくなるという心配がつきまとっていました。アイドルも声優もそうですが、マイノリティであると認識しているジャンルでは、自浄作用が強いんです。厄介なファンは少数派だったり数が決まっていました。最近は大型フェスも増え、業界も安定したので、その時楽しければいいフェス感覚のファンが増えたように感じます」

ホリプロの担当スタッフも声優とアイドルの垣根があいまいになっているとした上で、現在は過渡期だと話す。

「声優が小学生のなりたい仕事のランキングに入っていますし、興味を持ってくれている人は増えている。声優が一般的なものになりつつある中での難しさもあるのかなと思います。さらに声優業界が広がる前の状況なのかもしれません」

大橋さんの事件後、ホリプロは関係のあるイベンターたちと協議。11月30日にライブ観覧における新たな参加規約を発表した。

サイリウムやペンライトについては、これまで極端に長いものや大型のものに関し禁止していたが、今後は全面的に使用禁止。

暴れて周りに迷惑をかけるオタ芸に加え、適切ではない大声を上げるMIXなどの行為も禁止。確認がとれ次第、退場処分となる。

「ただ基本はお客さんとファンと一緒によいライブを作っていきましょうという思いです。それを1%の人たちの行為で崩してしまうのはみんなの損だから、その意識を持って楽しみましょうと訴えたい」(担当スタッフ)

対策は講じるものの、最終的にアーティストもライブ主催者も、ファンを信頼することしかできない。

その思いに応えるか、思いに反しアーティストの笑顔を奪うのか。選ぶのはファンだ。

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最終更新:2016/11/30(水) 18:00

BuzzFeed Japan

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