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認めて欲しさに金欲しさ、人も機械も微妙な記事選ぶネットニュースの危うさ

2016/12/2(金) 7:00配信

THE PAGE

 米国でフェイスブックがウソ記事を配信していたことが波紋を呼んでいます。一方、国内ではDeNAが運営するヘルスケア分野のキュレーション・サイト「WELQ」が、他サイトのコピーや信頼性の薄い記事が多いと批判にさらされています。ネット上のメディアは従来のメディアよりも信頼性が低いのでしょうか。

広告収入欲しさが捏造記事を生む

 日本ではそれほどでもありませんが、米国ではフェイスブック経由でニュースを見る人が多く、同サイトに流れるニュースは世論を左右するともいわれています。今回の大統領選挙では、真偽のはっきりしないサイトのニュースがたくさん配信されたことから、同社は厳しい批判にさらされています。

 現在、フェイスブックはニュースの選別を自動化しており、編集者は介在していません。しかし以前のフェイスブックは専門の編集者を雇い、人の目でニュースを選んでいました。配信されるニュースがリベラル系に偏り過ぎていると批判されたことから、同社はニュース編集の組織を廃止。すべてシステムが自動で選別する仕組みに切り替え、現在に至っています。

 ところが、今回はシステムによる選別が逆効果となってしまいました。システムによる選別では、人名や地名の間違いといった判断は容易ですが、微妙な記事内容の真偽を判定することは困難です。結果としてローマ法王がトランプ氏を支持したといったような、一見、事実か虚偽か分からない記事を掲載するサイトから多くのニュースが配信される結果となりました。

 こうしたサイトの中には、政治的主張とは関係なく、純粋に広告料収入を目的として、読者が好みそうなニュースを数多く捏造し、意図的に大量のアクセスを集めているところも少なくありません。フェイスブックではシステムによるチェック機能を強化するそうですが、どこまで効果があるかは微妙なところでしょう。

 一方、日本では最近、DeNAが運営するキュレーション・サイト「WELQ」の記事に批判が集まっています。医療関係の情報を集めたサイトですが、記事の内容が他のサイトと酷似していたり、医学的に間違った内容の記事が多数掲載されているとの指摘が出ています。批判を受けて同社は25日、記事の内容について外部の専門家に監修を依頼すると発表しました。しかし、その4日後の29日には全記事を非公開化し広告商品の販売も停止することとなりました。

 ネット・ニュースは、ほとんどが広告に依存した事業モデルとなっており、収益の絶対値が小さいという特徴があります。このためコンテンツの作成にコストをかけることができず、場合によっては、質の悪い記事を大量生産するという事態に陥ってしまいます。

 本来であれば、こうした偽情報はネット上で指摘され、順次駆逐されていくはずですが、現実はまったく逆で、ネットの方がむしろ意見の多様性が見られないとの指摘もあります。ネットの利用者がリテラシーを高めていく以外に、抜本的な解決策はないのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/12/2(金) 7:00
THE PAGE