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大阪の地下鉄民営化基本方針案の争点「今里筋線」とは?

2016/12/5(月) 12:34配信

THE PAGE

大阪の地下鉄民営化基本方針案の争点「今里筋線」とは? THEPAGE大阪

 10年以上にわたって議論されている、大阪市交通局の民営化。紆余曲折を経て、12月1日には大阪市の戦略会議で「地下鉄事業民営化プラン」の修正案がまとまりました。民営化にあたり、議会でのカギを握る自民党の要求に沿った形となりましたが、この中で争点となったのが、地下鉄・今里筋線の延伸計画です。

【拡大写真】延伸区間に記されている東住吉・湯里6丁目付近と概要図の写真

2006年12月に井高野~今里間が先行開業

 今里筋線は、大阪市東淀川区の井高野駅から東成区の今里駅までを結ぶ、延長11.9キロの路線。2006年12月に開業しました。

 大阪市営地下鉄としては8番目の路線ということで、部内名称は「大阪市高速鉄道8号線」と言われています。余談ですが、”高速鉄道”というのは、地下鉄が初めて開業した際に、路面電車と区別するためにうまれた言葉。他にも同様の呼び方をする自治体はいくつかあります。ちなみに、第1号線は御堂筋線、第2号線は谷町線です。

 もともと今里筋には、路面電車の代わりにトロリーバスや市バスが運転されていました。利用客が多いことから高頻度で運転されていた一方、交通渋滞によって定時運行が難しかったため、地下鉄建設の計画が浮上。大阪市の北端に位置し、大規模な団地もある井高野地区から、今里筋の南端である湯里六丁目までを結ぶルートで、このうち井高野~今里間が先行して開業しました。

ドル箱路線と乗り換えできず利用者は予想の3分の1程度

 このルートは、計画時点でも大規模な需要が見込めなかったことから、御堂筋線などよりもトンネルや車両が小さい、長堀鶴見緑地線と同じ規格を採用。列車も4両編成としてホームや車両基地を短くするなど、建設費を削減しました。

 ところが、利用客数は想像以上に低迷。開業翌年度の利用客数は一日あたり4万4000人と、予想の3分の1程度でした。その後、利用者は増え続けているものの、現在も予想の半分程度と苦戦が続いています。

 2015年度の営業係数(100円の収入を得るためにかかる費用)は255で、つまり売り上げの2.5倍以上もの経費が掛かっていることになります。今里筋線に次いで収支状況の悪い長堀鶴見緑地線でさえ営業係数は161ですから、今里筋線の”お荷物ぶり”は相当なものです。

 利用が低迷している理由はいくつかありますが、その一つがルート選定。大阪市の東側を南北に走る今里筋線は、地下鉄路線の中で唯一、御堂筋線と接続していません。

 ドル箱路線と乗り換えできず、大阪市の中心部も通らないため、利用しにくい点は否めません。また、沿線地域も既存路線に比べるとオフィス街や大規模施設がなく、需要に乏しいというのもあります。

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最終更新:2016/12/5(月) 14:12
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