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ガンジス川で洗濯してもきれいにならない?役人もあきらめた下水の垂れ流し

2016/12/25(日) 14:00配信

THE PAGE

吐き出される下水

 バラナシでガンジスの川べりを歩いていると、ドービーと呼ばれる洗濯屋の男たちの姿が目に止まった。数人が一定間隔を置いて並び、石で作った洗濯板の上に勢いよく洗った布を叩きつけている。この町の安宿や寺院の洗濯物を引き受けているのだ。

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 洗剤も、言うまでもなくガンジスの汚染の主な原因の一つだ。ドービーのように仕事で毎日大量の洗濯をする人々をはじめ、地元人や巡礼者たちもいたるところで衣服やサリーをじゃぶじゃぶと洗う。ガンジスで洗えば衣服も清められると考えているのだろうか、毎日川に流される洗剤の量は計り知れないものだ。洗剤に限らず、家庭や工場から排出される下水の多くは、浄化処理されることなく直接ガンジスに流れ込む。

 汚水を吐き出す下水溝の写真を撮っていると、一人の老人が話しかけてきた。

 「何十年ものあいだ、この町の下水は川に流れ込み続けているんだ。でも役所には何の対策も施さないのさ」

 彼は退職した元役人だといった。

 どんよりと淀んだ水際、下水溝の脇に立った男が魚釣りをしていた。獲った魚は自ら食べるのか、それとも誰かに売るのだろうか。

(2016年1月撮影)

最終更新:2016/12/25(日) 14:00
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