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10年放置の休眠預金は年間1000億円超、福祉に活用するのはアリ? ナシ?

2016/12/11(日) 18:00配信

THE PAGE

 10年以上放置された銀行口座のお金をNPOなどに分配する休眠預金活用法が2日、参院本会議で可決・成立しました。これまで金融機関の収入になっていた休眠預金を福祉に活用しようという試みなのですが、その手法については賛否両論があるようです。

10年放置の休眠預金は年間1000億円超

 転居をきっかけに口座のことを忘れてしまったり、預金者が死亡するなど、金融機関には毎年、多額の休眠預金が発生します。その総額は年間1000億円を超えると言われており、最終的に預金者から求められた払い戻しを差し引いても、年間600億円程度の金額が残ります。これまでは、こうした休眠預金のお金は金融機関の収入になっていました。今回、成立した法律は、この資金を金融機関の収益にするのではなく、福祉に活用しようというものです。

 休眠預金活用法では、口座に動きがなくなってから10年が経過した預金について(1万円以上の預金は預金者への通知が届かなかった場合)、預金保険機構に移管します。そこから政府が指定する団体を通じて、福祉活動などに分配される仕組みになっています。預金保険機構に移管した後でも持ち主が現われた場合には、お金は返却されますから、預金者のお金が完全になくなってしまうわけではありません。

休眠預金活用法に各方面から異論

 これまで銀行の収益になっていたということを考えると、そのお金を福祉に使うという趣旨は多くの人から支持が得られるように思われます。しかし、この法律に対しては各方面から異論が出ているようです。

 法律では、政府が指定する団体が休眠預金の資金をNPOに割り振るとしています。この団体は年間数百億円ものお金を管理してNPOに分配しますから、見方によっては非常に大きな利権団体となる可能性があるでしょう。団体の運営に対しては高度な透明性が求められますが、このあたりの対応が手薄であるとの批判が出ています。法律では、どういうわけか、たったひとつの団体にのみ資金を委ねるとされており、資金の活用について、複数団体で比較することができません。

 また、資金が提供されてしまった後から預金者が現われた場合には、返却のために税金が使われることになります。それほど大きな金額にはならないでしょうが、休眠口座の活用のために税金が支出されることに違和感を持つ人も出てくるでしょう。

 さらに大きな視点では、NPOに対して巨額の資金を提供する団体が生まれてしまうと、NPOの活動自体を大きく歪ませるとの指摘もあります。ただ日本の場合、純粋な寄付でNPOを運営することは難しく、こうした仕組みがないとNPOの活動を維持できないという事情もあるようです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/12/11(日) 18:00
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