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“国民的アイドル”SMAPはどう生まれたか? 楽曲と日米関係からひもとく

2016/12/14(水) 11:05配信

BuzzFeed Japan

日本人は、なぜこんなにもジャニーズに心をつかまれているのか――。

50年以上にわたり日本の芸能を支えてきたジャニーズ事務所の歩みから、日本の現代史をひもとく「ジャニーズと日本」(講談社現代新書)が発売した。

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これまでジャニーズに関する本は、ファンのために作られたものやスキャンダラスな関心に応えるものが多かったが、本書のテーマは「日本の戦後文化」。単なる芸能史にとどまらず、日米関係や社会の変化と照らし合わせて論じている。

“ジャニーズ帝国”が産んだ国民的アイドル「SMAP」は、12月31日に解散を予定している。ひとつの時代の終わりを、著者はどう見ているのだろうか。

BuzzFeed Newsは、自身もSMAP(特に中居正広さん)のファンという、著者の矢野利裕さんに話を聞いた。

楽曲に惹かれ、ジャニーズの世界へ

矢野さんは文芸や音楽を専門とする批評家。ジャニーズに興味を持ったのも、アイドル的な側面からではなく、楽曲のレベルの高さに魅了されたからと話す。

2000年代に差し掛かったころ、90年代後半の「渋谷系」のムーブメントを洗い直す中で、SMAPの楽曲のクオリティの高さにあらためて気付いたのが、本格的にジャニーズの音楽を追いかけ始めるきっかけだったという。

「ジャニーズ楽曲は基本的に、世界の音楽の中心と言えるアメリカの動向を見て作られています。日本ではまだ流行していない音やリズムを使った、前衛的でエッジの立った曲も多いです」

ジャニーズの各グループは、それぞれ楽曲そのものにアイデンティティがある。
矢野さんによると、SMAPのコアは「洗練されたディスコ・ミュージック」、しかも「ディスコ全盛期ではなく、90年代のクラブで流行ったディスコ・サウンド、レア・グルーヴ」だという。

「一言で説明できないのですが、この説明できなさ、ニッチさが重要。時代に合わせたさまざまな音楽をやりながら、アレンジのベースにあるし、大事なタイミングで『これがSMAPだ』と思える楽曲に戻ってくる安心感もある。ファンはそこに『SMAPらしさ』を感じるんです」

他にも、V6は「ユーロビートで派手なシンセサイザーが似合う感じ。SMAPと同時代でも違う音楽」、KinKi Kidsは「マイナー調、ラテン調」、嵐は「ベースにあるのはヒップホップ。時代的にも打ち込みが似合う楽曲になってくる」。

「そもそも、いろいろなタイプの楽曲を持っていること自体が、アイドルならでは。自分で曲を作るアーティストになると、ある程度狭いジャンルを追求していく傾向になりがちです。他者から曲提供を受ける立場だからこそ、楽曲が幅広く多様になっている面はあると思います」

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最終更新:2016/12/14(水) 11:05
BuzzFeed Japan