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小規模店舗は及び腰「たばこのない五輪」は実現可能? 不可能?

2016/12/16(金) 8:00配信

THE PAGE

 東京オリンピックに向けて、厚生労働省が検討している本格的な受動喫煙対策について、反対意見が相次いでいます。特に小規模店舗からは、喫煙室の設置は現実的に難しいという声が上がっているようです。日本では、オリンピックというタイミングを逃してしまうと受動喫煙対策の導入は困難になるとも言われていますが、果たして諸外国と同レベルの対策は実現できるのでしょうか。

 厚生労働省は東京オリンピックを控え、公共の場所を原則禁煙とした本格的な受動喫煙対策の導入を検討しています。国際オリンピック委員会や世界保健機関は開催国に対して「たばこのない五輪」を求めていますが、同省が8月にまとめた「たばこ白書」では、日本の対策は先進国では最低レベルとなっています。

 白書では、公共の場所をすべて禁煙とし、喫煙室の設置についても清掃や管理を担当する労働者の健康問題という観点から、設置を認めるべきではないとかなり踏み込んだ見解を示していました。その後、公表された「たたき台」では、原則禁煙というスタンスは堅持しつつも、一部の施設においては喫煙室の設置を認める内容となっています。官公庁や運動施設などは建物内禁煙とし、医療機関や小中学校などは、より厳しい敷地内禁煙に、一方、サービス業の施設やオフィス、駅、空港などは、建物内禁煙ですが、喫煙室の設置を可としています。

 国際的に見た場合、これはかなり現実を考慮した内容ですが、自民党の部会では、このたたき台についても反対意見が続出しました。反対派がもっとも懸念しているのは小規模店舗の負担です。小規模店舗の中には経済的に余力がなく、喫煙室の設置が現実的に難しいというところが少なくありません。一方、こうした店舗の中には完全禁煙にしてしまうと客足が減ってしまうところがあり、禁煙にすることもできないというわけです。

 日本では受動喫煙について、主に吸う人の権利という観点で議論が行われており、司法の世界でも受動喫煙は「受忍限度」とされてきました。しかし、最近は、喫煙は受動喫煙の形で他人に危険をもたらす行為であるという司法判断が増えてきており、喫煙に対する考え方は大きく変わっています。

 また国際的に見ても禁煙は大きな流れであり、これに逆行する判断はあまり好ましいものではありません。原則禁煙という流れを大前提に、どのような妥協点を探れるのか議論を進めていく必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/12/16(金) 10:07
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