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有機EL事業に乗り出すジャパンディスプレイ(JDI)に勝算はあるの?

2016/12/22(木) 12:00配信

THE PAGE

 日の丸液晶メーカーであるジャパンディスプレイ(JDI)が今度は有機EL事業に乗り出します。同社は液晶パネル事業において価格低下の影響を受けて業績が悪化。一時は経営危機も囁かれていました。液晶事業の立直しもままならない状況で新規事業に乗り出すわけですが、果たして勝算はあるのでしょうか。

 同社は政府系ファンドの産業革新機構が資金を提供し、日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合して出来上がった国策液晶パネルメーカーです。同社はiPhoneの売上拡大に合わせて業績も拡大し、発足から約2年で上場にこぎ着けましたが、その後iPhoneの失速に伴い業績が悪化。2期連続で赤字を垂れ流す事態となりました。

 一時は、世耕経済産業相が株式の売却について言及するなど緊迫する場面もありましたが、産業革新機構が全面的に支援していることもあり、市場の反応は今のところ落ち着いています。

 そのような中、同社は産業革新機構から有機EL事業を手がけるJOLED(ジェイオーレッド)を譲り受け、子会社化すると発表しました。JOLEDはパナソニックとソニーの有機ELパネル事業を統合した企業で、やはり産業革新機構が資金を提供しています。先端的な有機EL事業をJDIに集約することで、韓国メーカーや中国メーカーに対抗しようという戦略です。

 ただ有機ELについてはアップルが次世代のiPhoneへの搭載を決定したことから、韓国勢が猛烈な勢いで投資をしています。また台湾・鴻海精密工業の傘下に入ったシャープも鴻海の支援を受け約2000億円を投じて有機ELの開発を進めています。液晶パネルと同様、このままでは再び価格競争に陥るリスクもあり、この事業の先行きも楽観視できるようなものではありません。

 また今回の株式取得費用については産業革新機構が資金を提供します。同機構が出資した会社を同機構のお金を使って買収するだけですから、機構とJDIを中心に税金がグルグルと回っているだけとも解釈できます。またJOLEDがJDIの傘下に入ることで、急に国際競争力が出てくるわけではありませんから、JDIが抱える根本的な問題は何も解決しない可能性が高いでしょう。

 一時期、シャープはJDIに対して有機ELの共同開発を持ちかけましたが、話は進展しませんでした。あくまでJDIは政府系ファンドを中心とした企業グループの中で活路を見出したいようです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/12/22(木) 13:02
THE PAGE

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