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ソニー社員が退職強要で自殺 それでも「労災」を認めない東京地裁 背景に何が?

2016/12/21(水) 18:27配信

BuzzFeed Japan

2010年に自殺したソニーのエンジニア男性(当時33歳)の遺族が、自殺は労災だと認めるよう国を訴えていた裁判。東京地裁(佐々木宗啓裁判長)は12月21日、遺族側の訴えを退ける判決を下した。

判決は、上司の暴言や人事部の退職強要などはあったと認定したものの、それと男性が精神障害を発症したこととの関連性を否定。労災を認めなかった。

判決後、霞が関の司法クラブで記者会見した川人博弁護士は、「控訴します。高裁で正しい判断を仰ぎたい」「こんな変な、社会常識に照らしてもおかしい枠組みは、なんとしても高裁でひっくり返したい」と語った。

まずは、事件の概要を振り返る。

原告側によると、自殺した男性は身体障害者(6級)だった。6歳で脳腫瘍になり、一命は取り留めたが、2次性の水頭症になった。左手や左足がうまく動かせず、疲れるとものが二重に見えるような視覚障害もあった。また、脳腫瘍をきっかけとする、自閉症スペクトラム障害もあった。

それでも男性は大学院を出て、2004年4月にソニーに採用され、厚木テクノロジーセンターでエンジニアとして働き始めた。身体障害がわかったうえでの採用だった。

数年間は問題なく勤務していた。しかし、2008年10月の異動以降、環境が一変した。職場で「ラオウ」と呼ばれていた上司Aから、厳しい指摘をされ、会議中に無視されたりもした。

その後、違うグループに異動になったが、2010年1~2月には、別の上司Bから「お前は子供や高校生の姉ちゃんでもできる仕事しかしていない」「女・子どもでもできる」などと暴言を受けた。(上司はその後、謝罪した)

男性は2009年12月30日と、2010年5月17日に、突然のけいれん発作を起こして入院。2010年6月には神経精神科を受診し、「適応障害」と診断された。

この適応障害を、地裁判決は労災認定しなかった。

精神障害が労災認定されるためには、「発病前おおむね6カ月」に、「業務による」「強い心理的負荷」が必要とされている。

心理的負荷は「弱」「中」「強」「特別」の4段階に分けられている。労災認定には「強」が必要だ。

厚労省が2011年に定めた「心理的負荷による精神障害の認定基準」には、次のような具体例が挙げられている。

「強」になる具体例:「部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた」

「中」になる具体例:「上司の叱責の過程で業務指導の範囲を逸脱した発言があったが、これが継続していない」

上司Bの「女・子ども」発言は「中」と認定された。そして、異動前のことなどは6カ月以内でないとして、除外された。

川人弁護士は「実際のところ、心理的負荷の度合いをどう認定するかは、裁判官の考え方次第の部分がある」と話す。

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最終更新:2016/12/21(水) 21:54
BuzzFeed Japan