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長野・小川村が「おやき研究所」 女性の起業や移住促進図る

2016/12/24(土) 17:20配信

THE PAGE

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 信州の伝統的な郷土食「おやきの里」として全国にも知られる長野県小川村が、実績のあるおやき事業をバネに地元の女性の起業や村内への移住促進を図る「おやき研究所」を来春発足させる方針を決めました。同村の伊藤博文(いとう・ひろふみ)村長は「従来の過疎対策の方針では限界がある。ネットの活用も含め新たな発想で打って出たい」と闘志を見せています。

北海道からも「ツアー」全国区の知名度

 小川村は長野市の西方の山間地にあり、人口約2900人。「平成の大合併」で市町村の合併が相次ぐ中、小川村は長野市との合併か自立かを問う住民投票で「自立」を選んだ「こつ(方言で“気骨のある”)な村」としても知られています。

 村民や村が過疎脱却の手がかりとして注目したのが、信州のソウルフードともされる「おやき」。1986(昭和61)年に第三セクターで株式会社「小川の庄(おがわのしょう)」を設立し、おやきの販売、普及に30年間取り組んできました

 現在では村内の「おやき村」と長野市の善光寺表参道沿いに設けた「大門店」でおやき作りの実演、販売やおやき作り体験などの事業を展開。北海道などからも「おやきツアー」が村に訪れるなど全国区の存在で、従業員約80人を擁します。おやき村で実演していた女性(73)は「多いときは1000個以上作ることがあります」

農産物の販売やカフェ事業などを想定

 村が来年3月末に設立する「おやき研究所」は、新しい村づくりの「小川村まち・ひと・しごと創生総合戦略」の一環。女性を中心にした地域資源活用の小さなビジネス「コミュニティ・スモール・ビジネス」の起業と、村外からの移住を進めるのが狙いです。おやき事業の成功を生かして、具体的には農産物の生産・販売や工芸、カフェなどを想定しています。

 研究所はこうした事業に取り組む女性たちの起業を支援。生産者が流通、販売にも関わっていく6次産業化や経営相談、事業に関心のある女性の村内への移住促進のための空き家情報の収集などに取り組みます。

 このため拠点を村役場に置き、職員4人が担当。村内外の専門家らを専門委員などに委嘱してアドバイスを受ける方針。事業では国の地方創生加速化交付金2830万円を活用します。

 伊藤村長は、「村は高齢化が進む中、半世紀にわたって過疎対策を進めてきたが、これまでの手法ではもう限界。目標を女性の活躍ということにしっかり定め、なおかつネットも活用して事業展開していくような新しい発想が必要になってきた」と話しています。

【おやき】…野沢菜やナスなどの野菜を小麦粉の皮で包んで焼くなどした信州の伝統食。みそを加えるなどさまざまな流儀があり、地域や家庭によって皮の厚さや中身(具)も異なる。

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■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説

最終更新:2016/12/25(日) 15:28
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