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「うちは電通のこと書けないね」長時間労働に悩む女性記者たち マスコミの抱える課題

2016/12/25(日) 12:00配信

BuzzFeed Japan

電通の新入社員、高橋まつりさん(当時24)が自殺したのは、2015年のクリスマスの朝だった。それから1年が経った。高橋さんが苦しんでいた問題についてメディアが一斉に報じたことをきっかけに、「働き方」をめぐる議論が加熱している。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

報道各社は当初、電通の労働体制や働き方の問題点などを批判的に指摘。ほかの企業における長時間労働にフォーカスを当てた記事も多く伝えた。

でも、報じる側はどうだろう。マスコミの働き方には問題がないのだろうか。BuzzFeed Newsは、新聞と雑誌業界で記者として働いてきた20代の女性に話を聞いた。

本当に辛かったサツ回り

「電通の長時間労働を批判する記事を書いているのは、自己矛盾じゃないかなと感じました」

全国紙の新聞記者として働いてきた20代女性は、BuzzFeed Newsにこう語る。伏し目がちなまま、こう続けた。

「社会にいくら訴えても、自分たちが変わらないと説得力がないですよね」

彼女自身も、長時間労働に苦しんできた一人だ。現状を少しでも訴えたいと、今回の取材に応じてくれた。

特に大変だったのは、事件事故の担当をしていた時だった。特に、毎月のように事件があったある1年間は、「本当につらかった」と振り返る。

全国紙の新聞記者は、ほとんどの場合、入社後すぐに地方に配属され、警察取材、通称「サツ回り」で鍛え上げられる。あらゆる事件の情報が集まる警察署で、取材力を磨き、なにかが起きた時の瞬発力をつけるためだ。

その日に事件や事故が起きるかどうかは、神のみぞ知る。人口が多い地方に配属されれば、忙しさは確実に増す。

火事や大事故、殺人事件が起きれば、いつどこにいようが現場や警察署などに駆けつけないといけない。寝ていても、飲んでいても、お風呂に入っていても、恋人と過ごしていても。

「移動の自由」はなかった

「事件、ニュースに動かされる仕事なんだから、仕方がないとも思ってきました。入る前から想像していた通りでした」

たとえば朝5時に起きて、口紅だけをつけて30分で家を出る。8時に警察幹部の家の前にたどり着く。笑顔であいさつをしたら、そのまま記者クラブへ向かう。

午前中に記事を執筆。昼休みは1時間。その後はいろいろと雑務をこなし、夕方から朝の12~1時まで、再び警察幹部の家を回る「夜回り」だ。

そう、すべては「ネタ」のため。

食事はコンビニのおにぎり。家に帰ってするのは、シャワーを浴びて、寝ることだけ。

深夜2時ごろに布団に入ると、「なにをやってるんだろう」と、自然と涙が出る日も多かった。常に携帯が鳴っている気がして、なかなか眠れなかった。

ほっと一息をつく休みだってない。今になって当時を振り返ると、鬱だったんじゃないかと思っている。

「休日も、なにかがあっても呼び出されることばかりでした。それに、地方支局の人が減らされていて、土日の出番(当直勤務)を回されることも多かったですね。もちろん、平日に代休なんか取れません」

それでも誰かに相談しようと考えたことはなかったという。「実情を訴えてもなにも変わらない」と、諦めていたからだ。

もう一つ彼女を悩ませたのは、「移動の自由」だったという。新聞記者の多くは、たまの休日にも、基本的には自分が管轄する県(エリア)から自由に出入りすることはできない。

いつ、何が起きても対応できるようにするためだ。上司に理由を伝え、許可を得ることが必須だ。「友達の結婚式がある」と言ったが、上司から県外に出る許可を得られなかったことだってある。

「デスクには、『葬式なら納得できるけど』と言われました。こんなに移動とネットが発達した時代に、なんでだろうと思いましたね」

遠距離恋愛をしていた彼氏とは、長くは続かなかった。

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最終更新:2016/12/26(月) 9:15
BuzzFeed Japan