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熊本とアートでつながる 避難所の間仕切り使い作品など展示

2016/12/26(月) 20:07配信

THE PAGE

熊本とアートでつながる 避難所の間仕切り使った作品など展示 撮影:岡村雅之 編集・ナレーター・音楽:柳曽文隆 THE PAGE大阪

 大切な町への思いを表現した小冊子などを展示する「わたしのマチオモイ帖」展が大阪市北区のクリエイター支援施設メビック扇町で開かれ、静かな話題を呼ぶ。訪れた人たちが作品を手にしては、見知らぬ作り手たちの思いを引き出しながら、自分と向き合う。会場には熊本地震の避難所で使用された紙管などの間仕切り資材がクリエイターの仲介で持ち込まれ、作品展示に再利用するなど、熊本とアートでつながっている。

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「1町=1クリエイター」の責任編集

 全国に点在するグラフィックデザイナーやライターなどのクリエイターに呼びかけ、幼いころを過ごしたふるさとや現在暮らす町への愛着を、小冊子などに託した作品を募集する方式だ。

 今年で6回目を迎え、ミニブック、ムービーと、新設されたポストカードの3部門の作品200点あまりを展示。作品は各地で発行されている地域情報誌とは一線を画す。

 一般的な地域情報誌は一定の読者や広告主を確保するため、取材や販売エリアをある程度広く設定している。マチオモイ帖の基本は「1町=1クリエイター」の責任編集。編集長であるクリエイターの土地勘が働く行動範囲内の話題だけを、クリエイターの記憶や体験を頼りに誌面構成する潔さが心地よい。

 編集作業を通じて思い出の町を再訪し、記憶のずれを感じた戸惑いや切なさが伝わってくる作品にも、共感する人たちが多いだろう。

熱く格闘していた青春が香り立つ

 鮮やかな赤い表紙の「別府帖/別府青春地獄編」(大分県別府市)。ご当地で高校時代までを過ごした作者のたくましくもほろ苦い青春をつづる。デザインやタイトルに、何事にも熱くあるべしと格闘していた懐かしき青春が香り立つ。

 「古川橋帖/総合問題集」(大阪府門真市)は、工夫を凝らした労作。学校のテストのように、地元にまつわる質問に答えを記入する形式で、読者に代わって答が書き込んである。先生が赤ペンで採点しながら、生徒が書けなかった漢字の正答を示し、「難しいですが書けるようにしておきましょう」と励ます。正答の場合にも「駅の北側にあります」などと、添削で情報を補いながら町への愛着をさりげなく深めていく手法が秀逸だ。クリエイターとして培ったノウハウが息づく。

 段ボールにカブトムシなどを描き込んだ夏休みの工作風や、屏風絵のように広げて楽しむ展開方式、一子相伝の奥義をひそかにしたためたような巻物タイプなど、小冊子のかたちもバリエーションに富む。

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最終更新:2016/12/26(月) 20:07
THE PAGE