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NAVERまとめとすべてのネットサービスが抱える問題 「プロバイダ責任制限法」は誰の味方か

2016/12/28(水) 13:54配信

BuzzFeed Japan

最初に明かしておく。筆者は2011年から2015年まで、NAVERまとめを運営するLINE株式会社に在籍していた。

主な業務はNAVERまとめではなかったが、個人としてNAVERまとめは作っていた。その数、265本。初期のヘビーユーザーの1人だった。【BuzzFeed Japan / 鳴海淳義】

キュレーションメディアに問われる責任

さて、DeNAが運営するWELQやIEMO、MERYなどのいわゆる“キュレーション”事業において、不確かな医療情報、他媒体の盗用とみられる記事が見つかり、全10サイトが閉鎖に追い込まれる事態となったのは既報のとおりだ。

他媒体の記事の内容を剽窃し、しかも、それがわからないように巧妙に“リライト”するための内部マニュアルや、Google検索で上位に表示されるためのSEOの手法が明らかになり、DeNAが組織的に杜撰な記事を量産していたことがわかった。

インターネットユーザーが自由に記事を投稿する「キュレーションプラットフォーム」を謳ってはいたが、実質的には社内の編集部が記事の発注と管理を行っており、企業が直接運営するメディアだった。最終的には「配慮を欠いた運営」だったと南場智子会長、守安功社長が謝罪会見を開いた。12月7日のことだ。

それから間もなく、続々と他のキュレーションメディアでも記事の削除が進んだ。リクルートが運営する「ギャザリー」、Supershipが運営する「nanapi」、サイバーエージェントが運営する「Spotlight」や「by.S」などが、医療・健康分野の記事を非公開としている。

キュレーションの元祖「NAVERまとめ」とは

キュレーションメディアへの風当たりが強くなるなか、最後の本丸はLINEが運営するNAVERまとめである。2009年にオープンした同サービスは、現在問題となっているキュレーションメディアの先駆けといってもよい。

複数のインターネットサービスやストックフォトサービスと提携し、簡単に画像や動画を簡単に検索して掲載できる仕組みで、誰でも手軽に「まとめ」を作り、公開できるようにした。

当初はなかなかコンテンツが集まらなかったが、2011年にまとめ作成者に対し、まとめの閲覧数などに応じてインセンティブを分配する制度をスタートしてから、成長が加速した。

月に100万円以上を稼ぎ出すまとめ作成者も現れた。インセンティブ制度が始まってから2014年6月までの期間で、上位10人の平均受取額は568万円にものぼる。最も多くインセンティブを獲得した作成者は1500万円以上の報酬を得ていた。

一方で問題もあった。まとめ作成者が作ったまとめの中には、明らかに他者の著作権を侵害しているものが散見された。LINE側はコンテンツの監視を十分に行い、不適切なものは削除していると表明しているが、それでも、残っているものは残っている。

事実、メディア関係者や個人ブロガーなどからはNAVERまとめにコンテンツを盗用されたという声が多く挙がっており、なおかつ、その後の対応に誠実さが見られないという非難も寄せられている。

このような外部の反応は、DeNAのキュレーション問題が発覚したこの数ヶ月の間に発生したわけではない。ここ数年ずっと言われていたことだ。それがこのタイミングで顕在化しただけである。

キュレーションは、常に問題を抱えていた。

それを認識していたからか、LINEは12月5日、渦中のDeNAに先駆けて公の場でキュレーション問題について意見を表明し、NAVERまとめの新方針を発表した。

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最終更新:1/1(日) 3:41
BuzzFeed Japan