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ギャンブル依存にしない予防策を 滝口直子・大谷大学教授

2016/12/29(木) 12:10配信

THE PAGE

 カジノ合法化に伴う最大の懸念は、ギャンブル依存症問題の深刻化。ギャンブル依存の実態解明が立ち遅れてきた中、国は依存症対策を含めてIR実施法案づくりを急ぐことになる。大谷大学の滝口直子教授はギャンブル依存の研究とともに、依存症の人や家族の支援に取り組んできた。滝口教授は「ギャンブル依存に陥らない予防が不可欠」と強調。法規制や政策を通じて、カジノ産業側にギャンブル依存の予防策を徹底させることを求めている。

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カジノでプリコミットメントの完全実施を

 ──カジノが実現すれば、ギャンブル依存症は深刻化するのか。

 「ギャンブルマシン台数の国別調査で、日本はもっとも多い。すでに世界一のギャンブル大国だ。パチンコがガラパゴス化して独自の進化を遂げてきた。ストーリー性が豊かで、刺激性が高い。どこにでもあって簡単に遊べるため、多くの依存症が発症している。有効な手立てを講じなければ、カジノで新たにギャンブルマシンが稼働する分だけ、依存症の人が増えると考えざるを得ない。カジノは24時間無休だから、影響も大きい」

 ──依存症対策の有効な措置とは。

 「依存症の治療態勢の強化も大切だが、何よりも依存症の人を作らない予防策が重要だ。ギャンブル産業は害を最小化するための社会責任を負う。もっとも有効な予防策はプリコミットメントの完全実施。ギャンブルに使用する金額を顧客自身が事前に設定し、金額に達したらギャンブルをできなくするシステムだ。消費者が行動を自分で決める当たり前の権利であり、ギャンブルという商品サービスを提供するカジノでの適用も例外ではない」

 ──プリコミットメントの完全実施は可能なのか。

 「カジノは巨大な情報産業で、IRに多額の投資をして利益を生み出してきた。しかし、予防措置を徹底すると顧客が減り、産業側の利益が低下しかねない。日本のIRで厳しい予防措置が導入されることには、抵抗するだろう。収益重視の産業側に言うことを聞かせようとしても、地方自治体には荷が重い。法規制や政策にどこまで厳しい予防措置を盛り込めるか。国の責任は重大だ」

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最終更新:2016/12/29(木) 12:10
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