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“大麻を使った服”はなぜ違法ではないのか?専門家に聞いてみた

Fashionsnap.com 2016/12/29(木) 8:00配信

 「ヘンプ」は「リネン」と同様に清涼感のある素材として親しまれているが、「大麻」と聞くと違法薬物を連想する人が多いかもしれない。しかし日本では、大麻を衣食住で一般的に利用してきた歴史が深く、現代においても衣料品に使われる大麻は「合法」だ。では、大麻取締法で違法とされている「大麻」との違いは何なのか。エイベックス・グループ・ホールディングスによるブランド「麻世妙(まよたえ)」で大麻布の普及に努めているプロジェクトリーダー山嵜竜司氏に話を聞いた。

大麻布を現代へ、三越伊勢丹とエイベックスが生地ブランドで協業「麻世妙(まよたえ)」発表

■違法のボーダーラインは「大麻の部位」

 大麻は植物の名前で、リネン(亜麻)やラミー(苧麻)と同様に「アサ」の一種。日本では古くから神社のしめ縄や横綱の綱などに使われ身近な植物として親しまれていた。日本が敗戦した第二次世界大戦後は連合国軍最高司令官総司令部により大麻が「乱用薬物」と見なされ、栽培や所持、譲渡を禁止する「大麻取締法」が1948年に制定。国内における生産・流通が難しくなり、大麻が衣料品に使われることはほとんどなくなった。1962年には「家庭用品品質表示法」が施行。「麻」と表記できるのはリネンとラミーのみとなり、大麻は「指定外繊維(大麻)」など素材名で表示することが義務づけられている。

 大麻草には、多幸感や鎮痛、幻覚などの薬理作用を引き起こす成分が花冠や葉に含まれており、“薬物“の「マリファナ」はその部分を乾燥または樹脂化、液体化させたものを指す。一般的に“大麻=マリファナ“というイメージが蔓延しているが、衣料品には成熟した茎といった薬理成分を含まない部分が用いられており、これらの繊維を原料とする製品の製造や販売、使用は「まったく問題ない」(「麻世妙」公式サイトより)という。日本国内における大麻の栽培面積が少なく、「精麻」という紡績事前加工設備が無いため、「麻世妙」では原料を中国から輸入。輸出入についても違法と思われがちだが、薬理成分を含まない成熟した茎や種子といった部分は合法とされている。

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最終更新:2016/12/29(木) 8:00

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