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花火市場爆発 人々が「時限爆弾」の上で現状維持を続ける理由

2016/12/30(金) 11:01配信

BuzzFeed Japan

メキシコの町、トゥルテペックの花火市場で12月20日、爆発が起き、30人以上の犠牲者を出した。同様の爆発事故は、2世紀にわたって花火をつくり続けてきたこの街で頻発していた。火災が発生した当時、住民の口からもれた言葉は「またか?」だったという。
【Karla Zabludovsky / BuzzFeed Japan】

12月21日、地元の花火市場のまわりに張られたフェンスの金網に、放心状態の人々が手をかけていた。死傷者に関する最新リストを待つ人々だ。待っていた人々の1人、ロザリオ・バリョスは、夜を徹して病院を十数軒以上駆けまわり、義母を探したが、まだ手がかりは得られていなかった。

前日の12月20日、立て続けに起きた爆発が、トゥルテペックで人気の花火市場「サンパブリト・マーケット」を破壊し、少なくとも35人が死亡、72人が負傷した(12月23日現在)。負傷者のなかには子どもも数人おり、米テキサス州ガルベストンにある専門病院に搬送された。

「地面が隆起し、家が左右に揺れた」と語るのは、近所の住人フランシスコだ。花火市場が爆発炎上したとき、彼は現場から300m離れた場所で食器を洗っていた。「辺りを覆う煙の真ん中には、肉片が散らばっていた」と彼は付け加えた。

爆発の正確な原因については、現在まだ調査中だ。目撃者が撮影した動画には、立ち上る煙が、市場全体に広がる様子が収められている。爆発当時、クリスマスと大晦日に向けて、市場には、乱玉花火や爆竹などの花火があふれ返っていた。鮮やかなオレンジ色の閃光が連鎖反応を引き起こし、雲のようなチャコールグレーの煙に穴をあけていた。

トゥルテペックでは、このような火災が日常茶飯事になっており、花火市場に悲劇の傷跡を刻み込んできた。2005年にも爆発が花火市場を吹き飛ばし、何十人もの人々が負傷し、何百軒という露店が破壊された。1998年には、花火を秘密裏に製造する工場で爆発があり、少なくとも6人が死亡、150棟以上の家屋が損壊した。そのためか、12月20日の火災発生時においても、住民の多くの口からもれたのは「またか?」の一言だった。

メキシコシティー郊外にある、人口およそ13万1000人のトゥルテペックは、メキシコにおける花火産業の中心地として知られている。2013年の調査によると、トゥルテペク住民の60%が花火産業に関わっているという。事業の多くは家族経営で、その運営は小さな倉庫で行われている。
メヒコ州警察の救助隊長、ヘスス・パチェコは「この町はそういう町だ」と花火市場の脇でBuzzFeed Newsに語ってくれた。12月20日、爆発の30分後に彼が現場に到着すると、ケガを負い、服を焼かれた人たちが、自分の身内を外へ運び出していたという。それでも、「人々が花火の使用をやめることは今後もないだろう」と彼は語った。

爆発後、負傷者たちが近くの病院に救急搬送されている中でも、トゥルテペックの住民たちは地元のパーティーで花火を打ち上げていた、と12月21日の朝、現場にいた数人がBuzzFeed Newsに語ってくれた。

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最終更新:2016/12/30(金) 11:48
BuzzFeed Japan