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福袋「5万円相当!」→実際は「3万円分」でガッカリ…返品や交換は可能?

弁護士ドットコム 1/2(月) 10:03配信

電化製品やアパレルなど、年明けにはさまざまな福袋が発売されます。年明けの運試しとして購入を楽しみにしている人も少なくないでしょう。ただ、何が入っていることがわからないことから、中身について不満を訴えるケースもあるようです。

ネット上の掲示板では、広告では「5万円相当が入っています」と紹介されていた、あるアパレルブランドの福袋が5000円という価格で購入したところ、中身の値札の合計は3万円程度だったという体験が寄せられていました。

あらかじめ「●●円相当」などとうたっている福袋の中身が、それ以下の値段のものしか入っていなかった場合、購入者は店に返品や交換を求めることは可能なのでしょうか。半田望弁護士に聞きました。

 ●場合によっては「債務不履行」にあたる可能性がある

近年は中身の内容や入っている衣類等のサイズを明記した福袋も増えてきましたが、伝統的な福袋は価格以上の商品が入っているが中身が何かわからないというもので、「年初の運試し」ということで楽しみにされている方も多いと思います。

内容が予め分からない福袋について、「中身が気に入らない」とか、「期待していたものが入っていない」という理由で返品・交換ができないということは、一般的な感覚として異論はないでしょう。

では、ご質問のようにあらかじめ「●●円相当」などとうたっている福袋や、内容やサイズを明記した福袋ではどうでしょうか。この場合は、少し違った考え方もできるように思います。

まず、福袋の購入も売買契約ですので、売り手の「●●円で売ります」という意思と買い手の「買います」という意思の合致があれば、契約としては有効に成立します。価格もあくまでも双方の合意で定めますので、必ずしも商品の価値と等しい必要はありません。

もっとも、商品の品質や数量、内容を契約で定めていれば、定められた条件に満たない場合、売り手側の債務不履行ということになり、契約の解除などの問題が出てきます。

そこで、福袋の場合を考えてみましょう。

通常の福袋は、中身が何かわからないことを買い手側も了解して購入していますので、中身の金額や内容は売買契約の内容とはならないと考えられます。

ですので、「期待していたものが入っていなかった」「中身が思ったより安かった」ということがあっても債務不履行の問題は生じないと考えられます。

もっとも、最近増えてきている「中身を明らかにした福袋」では、予め明らかにされている商品や設定されているサイズの商品が入っていることが契約の内容になっていると考えることができますので、予告した中身やサイズの商品が入っていなかった場合には債務不履行の問題が出てくると考えられます。

では、中身の価格があらかじめ「●●円相当」となっている場合はどうでしょうか。

この場合は、中身を選べない福袋という商品の性質や、物の価値はある程度相対的であること、あくまでも「相当」としていることからすると、多少の増減を含めた「おおむね●●円程度」の商品が入っていることが契約内容になっていると考えるべきです。

しかし、5万円相当とうたっているのに正札(しょうふだ)で2~3万円しか入っていない、というように金額の差が大きい場合には債務不履行となる可能性があると考えます。

とはいえ、何が入っているかわからないというドキドキ感も福袋の楽しみの一つですので、あまり中身にこだわらず、福袋を楽しまれてはいかがでしょうか。

【取材協力弁護士】
半田 望(はんだ のぞむ)弁護士
佐賀県小城市出身。交通事故や消費者被害などの民事事件のほか、刑事弁護にも取り組む。日本弁護士連合会・接見交通権確立実行委員会の委員をつとめ、接見交通の問題に力を入れている。
事務所名:半田法律事務所
事務所URL:http://www.handa-law.jp

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:1/2(月) 10:03

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