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無糖飲料のダイエット効果に疑問符、かえって体重増える恐れも 英研究

1/8(日) 9:00配信

The Telegraph

【記者:Sarah Knapton】
無糖をうたった人工甘味料入りのダイエット飲料は減量に効果がないばかりか、かえって体重が増える恐れさえあると、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究チームが警告している。

 米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に発表された論文によると、研究チームが最大で過去30年までさかのぼって数十件の研究を再調査したところ、体重増加や2型糖尿病の予防や健全なBMI(肥満度指数)値の維持に無糖のダイエット飲料が有効だったことを示す確実な証拠は得られなかった。

 人工甘味料入り飲料のほうが加糖飲料よりもカロリーは低いが、脳内の甘味受容体が反応するため食欲が増進するという。さらに、ほとんどの人がダイエット飲料はより健康的だと思っているため、過剰摂取に陥りやすいとも研究チームは指摘する。

 インペリアル・カレッジ公衆衛生大学院のクリストファー・ミレット(Christopher Millett)教授は「業界のマーケティング戦略の影響もあると思うが、ダイエット飲料は砂糖を含まないから、砂糖を大量に含む飲料の代用として飲めば、より健康的で減量にもいいはずだという共通認識がある」と前置きしたうえで、これを裏付ける明確な証拠は見つからなかったと語った。

 さらにミレット教授は、人工甘味料入り飲料は世界的な肥満危機の解決に役立つどころか、むしろ問題を悪化させている可能性もあり、健康的な食事の一部だと宣伝することは望ましくないと付け加えた。

 だが英ソフトドリンク協会(British Soft Drinks Association)は、無糖飲料を標的にするのは間違っていると反論。カロリーを抑えた食生活の維持に無糖飲料が役立っていると主張する。同協会のガビン・パーティントン(Gavin Partington)事務局長は「私たちが総カロリー摂取の削減を奨励している時に、砂糖を含まない製品、よってカロリーも少ない製品を証拠もなしに悪者扱いするのは著しく無益なことだ」と述べた。

 肥満問題で英政府の顧問を務める英オックスフォード大学(University of Oxford)のスーザン・ジェブ(Susan Jebb)教授(食生活・公衆衛生学)も、肥満や2型糖尿病、虫歯の主要危険因子は砂糖であるため、飲み物を人工甘味料入り飲料に替えることは「カロリーカットに向けて、正しい方向への第一歩だ」と語った。

 さらに 英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)のトム・サンダース(Tom Sanders)名誉教授(栄養・食品学)も「低糖飲料や無糖飲料を推奨すべきでないとか、健康的な食生活の一部とみなすべきでないといった結論に正当な根拠があるとは思えず、世間を混乱させかねない」と批判する。

 英イングランド公衆衛生サービス(Public Health England、PHE)の主任栄養士、アリソン・テッドストーン(Alison Tedstone)博士は、特に若者にとって低糖飲料や無糖飲料への置き換えは「摂取カロリーや体重の管理に、いくらかは役立つ」と認めたうえで、「健康的な体重を維持するには、一つの食品を他のものに切り替えるだけではだめ。それ以上の努力が必要だ」とし、「摂取カロリーと消費カロリーのバランスが肝要。食生活全体を見ることが非常に重要だ」と述べた。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:1/8(日) 9:00
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