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“ホンダの倒れないバイク” あまりの大反響に中の人が「びっくり」 開発の狙いは(動画あり)

ITmedia NEWS 1/10(火) 11:04配信

 本田技研工業(ホンダ)は1月5日(現地時間)、米ラスベガスで開催中の家電見本市「CES 2017」(1月5~8日)で、ライダーが乗っていなくても自立できるバイクの技術「Honda Riding Assist」を公開した。現地の担当者は、意外にも「バイクを自立させることが主の目的ではない」と話す。

【画像】バイクが自立しているところ

●展示は大成功「こちらが驚いた」

 Honda Riding Assistは、ライダーが走行中にバランスを崩してもバイク自体がバランスを保ち、低速走行時や停止時のふらつき、取り回し時の転倒を防ぐ技術。二足歩行型ロボット「ASIMO」などの研究で培ったバランス制御技術を二輪車に応用したという。

 同技術が披露されたホンダブースには、後ろから展示が見えないほど多くの来場者が詰めかけた。ITに関連する自動運転技術などが台頭してオートモーティブショー化が進むCESで大成功を収めたといってもいいだろう。本田技術研究所でHonda Riding Assist開発に携わった中田博之さんと太田あつおさんは反響について次のように話す。

 「そこそこ反響はあると思っていたが、ここまでとは思わなかった。こちらがびっくりしている」(中田さん)

 「CGや展示だけではなく、実際に人が乗ってデモを行ったのが良かったのかもしれない。実物を持ってこれたのが一番良かった」(太田さん)

 ホンダブースでは1日に2回、Honda Riding Assistのデモを実施。開始時間の少し前から人だかりができるため、早めに前列を確保しないとバイクが見えないほどだ。

●開発のきっかけは「バイクを楽しんでもらうこと」

 “倒れないバイク”という、従来の二輪車にはありえない夢の技術を実現するに至った理由の根底には、「バイクを楽しむネガティブな要素や不安を取り除きたい」という思いがあったという。

 「まさに『The Power of Dreams』(ホンダのスローガン)というように、二輪技術の夢とASIMOでやってきた夢を一緒にして、二輪でもロボティクスを活用して何かできないかと。そこでASIMOやUNI-CUBのバランス技術を投入することになった」(中田さん)

 Honda Riding Assistの開発は数年前にスタート。今回はグローバルで販売しているバイク「NC750」をベースにして実装した。倒れそうなときに起き上がる力を発生させる技術の基本的な部分はASIMOやUNI-CUBと同様。バイクでは、起き上がろうとする力をハンドルの動きに変換して発生させている。

 「オートバイは、スピードが出ているときはすごく楽しいが、渋滞などでゆっくり走るときにバランスを取るのが難しい。そういったネガティブな要素を技術で助けられないかと」(太田さん)

 今回、バイクが自立することに大きな注目が集まっているが、あくまでバイクを楽しむ上で阻害となる問題や不安を技術で解決し、年配者や女性、体の小柄な人にも大型バイクの楽しさを味わってもらうのが主の目的としている。

 Honda Riding Assistを搭載したバイクは、現時点で市販化の予定はないが、なんらかの形でこの技術を市場に投入していきたいという。二輪車の安全を技術でアピールすることで、バイク人口減少に歯止めをかけたい狙いもある。

 「ベテランの方でも安心してより楽しめる。色んな人が安心してバイクに乗ってほしい」(太田さん)

最終更新:3/23(木) 20:52

ITmedia NEWS