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「勤務時間外のメールは見なくていい」は日本で成功するのか

AbemaTIMES 1/11(水) 15:10配信

■「同僚が休んでいる間に働いて成果をあげようとする労働者が必ず出てくる」

(C)AbemaTV

 フランスで1日に施行された法律が世界の注目を集めている。その内容は勤務時間外には仕事のメールを見なくてもいいという、「オフラインになる権利」だ。日本でも電通の新入社員の自殺が過労死と認められた問題をきっかけに、長時間労働や「社畜」という言葉が話題になっており、安倍総理が「今年は働き方改革断行の年であります」と明言するなど、働き方を見直そうという機運が高まっている。

 Yahoo!ニュースが実施した、「労働時間外に連絡を絶つ権利を日本でも認めるべき?」という意識調査では、日本でも認めるべきと答えたのが全体の64.2%に上っている。本当に働き方改革が実現し、「社畜」を無くすことはできるのだろうか。

 千葉商科大学専任講師で労働社会学を研究している「働き方評論家」の常見陽平氏は「そもそも外で24時間メールを見られる状態の方が異常で、“過剰品質“になってしまっている部分がある。働く側としては取引先やお客さんとの関係も考えなければならないので、今すぐ状況を変えるのは難しいかもしれない」と話す。

 環境や制度だけでなく「消費者の側も“本来は夜間や土日は対応しないものだよね“というように意識も変えていかなければならない。」と、全ての人の考え方が変わる必要があるとした。

 「オフラインになる権利」によって、かえって障害が生じるというのは、NEET株式会社の発起人で、慶應義塾大学特任講師の若新雄純氏。

 若新氏は「勤務時間外にメールを見なくてよいという法律ができたとしても、みんな逆にチャンスだと思って仕事をしてしまうのではないか」と指摘する。つまり、同僚が休んでいる間に働いて成果をあげようとする労働者が必ず出てくるというのだ。

 社畜や過労の問題の根本的な原因について若新氏は「優秀な人こそ頑張ろうとする。それは仕組みの中でいかに勝つか、評価されるかという日本の教育に根本の原因がある。“システムに使われて働きすぎるのはダサい“みたいな意識が生まれなければ、会社側がいくら対策や規制を行ったとしても問題はなくならない」と訴えた。

 自らもブラック企業で働いた経験もあるという経済評論家の平野和之氏は「例えば国民の安心・安全を守る警察や消防、医療・介護などの職種には、緊急事態というものがある。仕事には、時間でコントロールできるものと、成果でコントロールできるものがある。すべての職業に対し、同じルールを一律に当てはめるのは難しい」と述べた。

 経営者、アーティストやタレント、アスリートなど、自分で仕事のコントロールができて、かつ長時間労働も苦ではないという人たちもいる。

 これについて常見氏は「多くの人が仕事をコントロールしきれないのが今の社会。誰も彼も一生懸命という状況に苦しんでいる。人間って、働く前に生きないと行けない。4時間だけ働きますというパートタイマー並のプロがあってもいい。一生懸命働かないという権利も認められてもいい」とコメント、「意識の問題の前に、システムの問題もあると思う。昔は“非正規がかわいそう“って言っていたけれど、正規雇用は長期雇用であるがゆえに、成長し続けることや昇進・昇格が求められる」と、正社員ならではの問題もあるとした。

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最終更新:1/11(水) 15:10

AbemaTIMES

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