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[インタビュー]「日本の進歩派メディアですら韓日合意の一方的な報道がひどい」

ハンギョレ新聞 1/11(水) 2:33配信

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の梁澄子共同代表

 「なぜ私たちがこんなに早く(抗議)声明を出したのか、ですか?それは、(日本軍「慰安婦」問題を扱う)日本のメディアの「翼賛報道」(御用報道)があまりにもひどかったからです」

 8日、日本の代表的な慰安婦問題の市民運動団体である「日本軍慰安婦問題解決全国行動」(以下、全国行動)は、日本政府が6日に発表した韓国に対する4項目の対応措置(報復措置)に対して抗議する声明文を出した。何らかの問題に対して意見をまとめるのに非常に時間がかかる日本の市民運動団体の慣行に比べると、異例とも見える素早い対応だった。

 在日朝鮮人2世であり、長い間「慰安婦」問題解決のために取り組んできた梁澄子(ヤン・チンジャ)全国行動共同代表(写真)は、その理由として現在の慰安婦問題をめぐる日本のメディア環境を挙げた。

「釜山少女像」に対する日本政府の報復処置から 
2日めにして迅速な「抗議声明」発表 
「合意で韓日関係が改善されたなんて…」 
1990年から活動してきた在日朝鮮人2世 
日本在住の生存者である宋神道(ソン・シンド)さんをケア 
「韓国の市民運動の躍動性に申し訳ない気持ち」

 「12・28韓日慰安婦合意以後、韓国ではこれに反対する活発な運動が行われたが、日本国内の運動は非常に沈滞しているという話を聞きます。それは残念ながら、世論が私たちの味方に立つ気配がまるでないからです。(慰安婦問題の正しい解決を)言えば言うほど、私たちだけが極端な人間に映り、慰安婦問題に対する理解ではなく誤解が深まります」

 このような世論環境の形成に最も大きな影響を及ぼしたのは、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞など、いわゆる日本の「リベラルなメディア」の慰安婦合意に対する態度だった。日本の進歩的なメディアは2015年末に合意が発表されるやこれを高く評価し、「合意後の韓日関係が改善されている」という一貫した報道姿勢を続けてきた。

 しかし昨年末の釜山少女像設置事態に見るように、合意を通じて政府間の関係は改善されたとしても日本を見る韓国の世論はかえって悪化した。声明はこれについて、日本のメディアが「政府の視点に追随し、民衆の意思を黙殺する非民主的な言説を振りまいていることを認識すべきである。『翼賛報道』の轍を踏まず、メディアの使命を主体的に自覚し、この問題の本質的な視点に立った報道をするよう求める」という内容を入れた。梁代表は「なぜ韓国の市民がこれほど怒り、自費で『平和の碑』(少女像)を建てるのか、その根本的な背景や理由について日本のメディアはまったく言及していない」と指摘した。その結果、日本国内の世論は「韓国が合意しておきながら守らない」という風に、感情的な反応でさらに悪化しているということだ。梁代表は「日本メディアの報道があまりにも一方的だという事実を明らかにしたいと思い声明を出した」とつけ加えた。

 併せて声明では「被害者である慰安婦生存者たちの同意」なく推進された12・28合意の欠陥と、合意以降安倍首相が示してきた態度も批判した。声明は、合意以降に韓国民衆たちの怒りが高まっている理由について、「日本政府が10億円について『賠償ではない』と繰り返し述べたこと、にもかかわらず韓国政府と「和解・癒し財団」が『賠償にあたるもの』などと国民を欺き、被害者たちの説得にも当ってきたこと、安倍首相がお詫びの手紙について『毛頭考えていない』と一蹴するなど、「お詫びと反省」を合意で謳いながら実は謝罪する気など全くないこと」を挙げた。こうした安倍政権の態度を見ると、12・28合意とは「未来世代に謝罪を繰り返させないために、舌先だけで謝罪と反省を真似たもの」と結論づけるほかないということだ。

 梁代表が今回の事態を見て改めて確認したのは、韓国市民社会の躍動性だ。梁代表は現在のこじれきった慰安婦問題を解決するために「これといった答え」を提示することは簡単ではないが、「韓国の市民運動はすばらしく、状況が変わり続ける。それによって私たち(日本の市民運動)の考え方も変わる。それで何もできない日本の市民社会は韓国に申し訳ない気持ちがある」と話した。

 梁氏は日本の北海道で生まれ、1990年末、日本YWCA会館で韓国挺身隊問題対策協議会のユン・チョンオク共同代表の講演を聞き「慰安婦」問題解決に取り組み、93年に「在日朝鮮人慰安婦の裁判を支援する会」を結成し、日本にいる唯一の生存者である宋神道(ソン・シンド)さんを支援してきた。2007年、ドキュメンタリー映画「オレの心は負けてない」を製作し、日本での巡回上映に続き、2011年の東日本大震災で被災した宋さんを東京に連れて来て、現在までケアしている。「戦争と女性の人権博物館」日本後援会代表も務めている。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:1/11(水) 2:33

ハンギョレ新聞

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