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JAXAの小型ロケットが打ち上げ失敗、低コスト化は実現する?

1/18(水) 8:30配信

THE PAGE

 民生品を多用し低コスト化を目指した小型ロケット「SS-520」の打ち上げが失敗に終わりました。詳細な原因究明はこれからですが、出遅れていた宇宙ビジネスの進展が期待されていただけに関係者はショックを受けています。

小型ロケット「SS-520」の4号機の打ち上げに失敗

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月15日午前8時33分、超小型衛星を運ぶ小型ロケット「SS-520」の4号機を打ち上げました。ところが打ち上げから20秒後にロケットからのデータ通信が途絶えたことで打ち上げは失敗に終わりました。本来であれば、68秒後に1段目を切り離し2段目に点火する予定でしたが、ロケットの姿勢が分からないまま2段目に点火するのは危険と判断。点火を見送りロケットは海上に落下しました。

 このところ宇宙開発は国威発揚を目指したものから、より実利的なビジネス用途へのシフトが進んでいます。米国では学術目的以外の宇宙開発については全面的に民間に開放されています。このような中、日本においても低コストのロケット打ち上げノウハウを確立することを目的としたのが今回のプロジェクトでした。

 今回打ち上げられたロケットは、全長が約9.5メートルと主力ロケットであるH2Aの5分の1ほどの大きさで、直径は約50センチメートル、重さは2.6トンしかありません。衛星を打ち上げるロケットとしては世界最小であり、民生品を活用することでコストは従来の10分の1以下(約5億円)に抑えたとしています(ただし、打ち上げの総予算は明らかではありません)。民間企業からはキヤノン電子が開発に参加しました。

民生品の活用が問題なのか?

 一部では民生品の活用やコスト削減がトラブルの原因になったとの見方もあるようですが、必ずしもそうとは言い切れません。SS-520はもともと観測ロケットとして開発された比較的古いもので、当初は2段ロケットという構成でした。今回はそのSS-520に改造を施し3段目を増設したのですが、民生品を多用したのはこの3段目です。ただし、制御方式の切り換え装置や通信装置などの開発もありますから、どの部分がトラブルの直接の原因になったのかは、詳しい調査を待つ必要がありそうです。

 実は、今回のプロジェクトはJAXAの長期的な計画にあったものではなく、2015年度宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業の採択を受けて始まりました。つまり予算が付いたことでスタートしたというニュアンスが強いプロジェクトです。もし本格的にロケットの低コスト化を進めるということであれば、もっと本腰を入れたプロジェクトのあり方を検討する必要があるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:1/23(月) 17:12
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