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[寄稿]中国からみた韓日の「少女像をめぐる軋轢」

ハンギョレ新聞 1/17(火) 7:22配信

 釜山(プサン)日本領事館前の「平和の少女像」問題で最近、韓日の軋轢が深まっている。日本政府は主に二つの理由から韓国を批判した。2015年の韓日「軍慰安婦合意」に違反しており、1961年に世界81カ国が締結した「ウィーン条約」を破ったということだ。しかし、これは日本の主張に過ぎず、そのまま受け入れるには限界がある。

 韓日合意に違反したとの主張については、少女像に関する条項に対する双方の解釈が当初から異なっていた。日本は少女像の撤去を合意履行の一部または先決条件とした反面、韓国は合意文の文言(「関連団体との協議などを通じて、適切に解決されるよう努力」)通り、「努力」を約束したと考えていた。異なったのはそれだけではなかった。日本の当局者はこれまで数回にわたり、日本政府の法的責任や従軍慰安婦徴用の強制性を否定した。韓国政府の合意文の解釈と正反対だったが、韓国政府は日本に合意違反の責任を問う代わりに自制を訴え、合意の価値を掲げた。

 ウィーン条約違反の主張にも無理がある。日本は、相手国公館の安寧と品位を守る責務を規定した第22条を掲げているが、この条項の一般的な解釈は過激なデモに限られる。少女像の設置まで拡大適用することは当然の解釈ではなく、(日本の)主張に過ぎない。少女像は追悼碑・記念碑の代わりに建てられた芸術造形物であり、第22条に十分配慮している。日本側の主張どおりに少女像が自国公館の安寧と威厳を懸念しなければならないほどの威力があるとしたら、その原因は他ならぬ日本の反省不足である。

 日本はこのように自らを“法の守護者”とし、韓国を“約束の破壊者”に仕立てようとしているが、これは国際法の悪用である。軍慰安婦問題自体が人類の普遍的価値と法秩序に対する明白な違反だ。日本の一方的な国際法解釈が慰安婦問題の争点フレームに混乱を来すことはできない。

 少女像をめぐる軋轢は、認識の相違を放置したまま、外交的取り繕いだけで歴史問題を解決することには、限界が多いという教訓を残した。慰安婦問題のような歴史問題は外交懸案に止まるのではなく、被害者に対する補償と治癒、歴史事実の記録と学習、そして国民的歴史認識の反応などを総合的に取り上げなければならない。政府間の合意で外交懸案は解消できるかもしれないが、他のレベルの軋轢までも一気に解決できるわけではない。外交合意を好循環の始まりとして他の差を埋めていく双方の努力が伴うならともかく、それを異なる意見に対する抑圧として活用すれば、見解の相違が見つかる度に、今回のように逆に外交的軋轢をもたらす悪循環の始まりになる可能性が高い。

 歴史問題で、口癖のように繰り返されてきた「未来志向的解決」を可能にするためには、外交的縫合ではなく、被害国と加害国国民の認識の差を埋めなければならない。しかし、少女像をめぐる軋轢と安倍晋三首相の真珠湾訪問、そして日本の閣僚の靖国神社参拝など、最近の状況を見ると、日本側の能動的な変化を期待するのは難しそうだ。中国、韓国など被害国同士が歴史問題で歩調を合わせる必要性を再び痛感させられる。

 もちろん今の中韓は数年前の「歴史(問題をめぐる)協力」のように関係を強化するには政治的に困難な状況にある。しかし、歴史問題は過去に対する認識を通じて未来を構築していく長期課題であるため、一時的な政治状況に押され、または利用されて誤った方向が固まってしまえば、その被害はあまりにも大きい。韓日の慰安婦合意は、中国と韓国が地域情勢などで歴史協力を自制し二の足を踏んでいる過程で現れた「分離接近」の産物だ。

 当面の政治状況を乗り越えるためにどのような案が再び“協力”を可能にするだろうか。中国にも昨年10月、上海に初の少女像が建てられた。至る所の少女像に合意違反と国際法違反という否定的イメージをつけられることを放置してはならない。釜山少女像を応援する。

李ティンティン(女に亭)・北京大学教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:1/17(火) 7:22

ハンギョレ新聞

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